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初めてのグラフィックデザイン by塩見岳大

日時:平成31年3月12日
執筆者:塩見岳大
タイトル:初めてのグラフィックデザイン

塩見岳大はプロ和太鼓奏者である。
様々な場所で和太鼓演奏を行い、
各地を大いに盛り上げている…

と信じている。

しかし、演奏も練習もない日の塩見は何をしているのか?

私は主に和太鼓彩のHPや印刷物のデザインや動画の編集を行なっている。

もともと私は小さい頃から絵を描くのが好きだった。
オリジナルのキャラクターが飛び交う、
空想の世界が描かれた自由帳を何冊も何冊も積み上げたものである。

ぼーっとしていることも多かったように思う。
それは単に何も考えていなわけではなく、
いや…何も考えていないことも多かったかもしれないが、
それだけではなく、自分の頭の内側に広がる世界に浸って、
妄想していたのである。

その妄想を形にして外に描くのがとても楽しかった。

小中高と、
私の教科書やノートを見返してみれば、
いつだって落書きで溢れている。
「社会」と記された授業用ノートが丸々一冊漫画になっていた。

筆記用具と紙を持つと、
英文や計算式や難しい漢字よりも、
絵を描きたくなる。
描きたいと思っていなくても、
気付いたら右手が勝手に描いているのだ。

高校で和太鼓部を引退した後は、
大学に行かずに漫画家になりたいと思った。

「僕は大学受験なんてしないで漫画を描くんだ!」

という主張のもと、私は両親と大喧嘩。
高校三年生にして、家出をした。

この高校三年生の家出は私にとってちょっとした大冒険だったのだが、
話し始めるとそれだけで今回の記事が埋まってしまうので割愛する。

結論から言うと大学で和太鼓を叩きたいと言う気持ちもあったため、
大学は卒業し、その後に進路を決めることにした。

私の両親も私が漫画家になるか、サラリーマンになるかで揉めたのに、
まさか和太鼓奏者になるとは夢にも思わなかっただろう。

しかし、私は最終的に和太鼓の道を選ぶことになる。

和太鼓彩に入団し、
共同生活宅に転がり込んで間もない頃、
まだサークルではあったものの和太鼓彩の仕事は全て、
葛西啓之が一人で回していた。

当時会社に勤めていた葛西は激務の傍らで和太鼓の演奏、練習に加え、
和太鼓彩の演奏依頼対応、打ち合わせ、ライブの構成、スケジュールの作成、
そしてチラシ、パンフレットのデザインも全部一人でやっていたのだ。

正直、人間じゃないと思った。

超人だと思った。

しかし、家賃も払わず共同生活宅に居候していた負目もあり、
少しでも和太鼓彩の、そして葛西の力になりたい、と思ったのもあるが…
何より自主公演の印刷物をデザインしてみたい!
という欲望がふつふつと沸き上がってきたため、
僕は「COLORS」ツアーの印刷物デザインを自分に任せるよう葛西に頼み込んだ。

とはいえ、今まで私が描いてきたものは所詮全て落書きで、
まともな作品を完成させたこともなかった。
大学に入学してからは結局和太鼓に夢中になり、
ほとんど絵も描いてこなかった。

半端な技術で手描きの印刷物では、
半端なものしか出来上がらないと思った私は、
パソコンでのグラフィックデザインに挑戦しようと思い、
葛西からパワーポイント(資料制作等に使われる画像編集ソフト)の使い方を一から教わり始める。

パソコンの「パ」の字も知らなかった私に葛西は付きっ切りでレクチャーすることになり、
結果的に自身で印刷物をデザインする以上の労力をかけたように思う。

会社の激務の中、和太鼓彩の仕事を回し、更に私の面倒を見てくれた葛西に、
私の頭が上がらないのはご納得いただけるだろう。

パソコンでパワーポイントを起動できなかったところから、
コツコツと使用法を学び、
葛西が会社から帰宅しては捕まえ、
わからないところを尋ね、
試行と添削を重ね重ね、
そしてようやくCOLORSツアー印刷物のデザインが出来上がった。

仕上がったデザインを見る瞬間は、
自分の内側にあった世界が外に飛び出す開放感と達成感があり、
私が舞台で歓声を浴びる瞬間に次いで好きな時間だ。

そして何より嬉しかったのは葛西の言葉…

「俺がやるより全然良いものが出来た」

と聞いた時だ。
私の中では人間ではなかった、
パーフェクト超人、葛西の言葉は私に絶大な自信とやり甲斐を与え、
和太鼓彩のありとあらゆるものをデザインしていこう、
という私の想いに火を灯し、
私はデザインを勉強していくことになる。

こうして2013年、
僕にとってもう一つの舞台である、
グラフィック上での戦いのが幕を開けたのだった。

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