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「歩み」作曲秘話① by齋英俊

日時:令和2年1月7日
執筆者:齋英俊
タイトル:「歩み」作曲秘話①

今回は、2019年10月18日東京国際フォーラム公演にて完全版を初披露しました、「歩み」の作曲秘話を振り返りたいと思います。

まだ「歩み」を聞いたことがないという方は…
ぜひこちらを聞いてから、今回のヒストリーをご覧ください!
(動画はまだオフィシャルで公開のものはありません…ぜひ彩のLIVEへ!笑)

「歩み」制作の始まりは、2018年まで遡ります。


〜序章 「奏」への違和感〜

和太鼓グループ彩、最初のオリジナル曲といえば!
そうです、2009年の第1回単独公演で初披露した、「奏」です。

近年演奏することが多いのは、編曲を重ねた、「衝動」バージョン(2012年)と呼ばれるものです。

“太鼓が好きで好きでたまらないー。
今すぐプロの世界に飛び出していろんなところで演奏したいー。
しかし、太鼓で食べていける道なんてまったく見えないー。

そんな”悩みと葛藤”を、「奏 衝動バージョン」へと込めました。

(詳しくは、葛西さんのヒストリーをご覧ください
https://wadaiko-sai.com/archives/history/190806)

この後、「奏 衝動バージョン」とともに、和太鼓彩は初のツアー「衝動」、初の全国ツアー「衝動Ⅱ」へと突き進みます。

僕ら和太鼓彩メンバーにとって、「奏」は、“悩みと葛藤”、僕らの “太鼓への衝動” を表現する曲でもあるのです。

時は流れ、2013年についに和太鼓彩はプロとして飛び出し、皆様の応援のおかげで、数多くの場で演奏するという夢が叶いました。

そんな中、ヒストリーという場を借りて正直に言いますと、この「奏」を演奏する時、表現する時、ある種の違和感のようなものを、少しながら感じ始めていたのも事実です。

今、僕らは昔描いた夢の中にいる。
“悩みや葛藤”
いろんな場で太鼓を演奏したいという”衝動”をテーマにした「奏」を、どう表現していけばいいのか。

メンバーでたくさんの議論を交わしました。

2018年9月15日。
初の360度ステージに挑戦した「SAI LAND」六本木公演では、あえて笑顔で、はつらつと演奏する「奏」にも挑戦しました。

これは正直、お客様の中でもメンバーの中でも賛否があったかもしれません。

少なからず、メンバーの中で、「奏」を演奏するにあたって、違和感のようなものが生じ始めてきていたのです。


〜第二章 「奏」第2楽章構想 〜

すでに長くなってますね、すみません。。
お付き合いいただき、ありがとうございます。

2018年、活動の幅が拡がるにつれ出てきた、「奏」表現への違和感。

そこでメンバーの中で、
“今の和太鼓彩”を体現する、「奏」第2楽章 を制作してはどうか、という話になりました。

今の和太鼓彩は、”いろんなところで演奏したい!”という葛藤期か!?
いや、違う。

今はさまざまなところで演奏する。時には自分たちでも信じられないような大舞台でも演奏する。
そんな時でも、どんな時でも、胸を張って演奏するんだ!!
どんな壁にぶつかろうとも!力強く突き進むんだ!!

そんな、今の和太鼓彩を、これからの和太鼓彩を表す、「奏」第2楽章を作ろう!!
ついにメンバーの中で、方針が固まります。

来たる夢の地、大舞台、
東京国際フォーラム公演で、胸を張って初披露しようじゃないか!!


〜第三章 作曲〜

ついに動き出した、「奏」第2楽章 制作計画。
当初、篠笛パートを私が担当、太鼓パートを葛西さんが担当するという話になりました。

そして、2019年1月に開催した私のソロライブにて、篠笛のみ初披露させていただきました。

ここで少々、現作曲担当としてのお話をさせてください。

2018年、和太鼓彩で誕生した楽曲は、一彩が作曲してくれた「ADVENTURE」のみでした。
明確な作曲担当の不在。
楽曲の成長がないと、団体の成長もない。
これは和太鼓彩にとっても大きな課題のひとつでした。

2019年以降、私が和太鼓彩の楽曲制作の支えになりたい。
和太鼓彩の楽曲制作を務めていく”覚悟“を、2019年1月、お客様の前で約束させていただきました。
(実はこの時すでに、一彩卒業の話は上がっていました。)

ソロライブ終了後、葛西代表から話がありました。

『「奏」第2楽章 の太鼓パートの作曲も、齋に任せたい。』

ソロライブで発表した、私の覚悟を汲み取ってのことだと理解しています。

早速、「奏」第2楽章、太鼓パートの作曲に取り掛かります。

「奏」は、和太鼓彩メンバーみんなにとって、お客様にとっても、何より自分自身にとっても、本当に思い入れのある大切な大切な楽曲。
その第2楽章。
少なくとも自分自身が、これが最高の曲だ!!!
と胸を張って言えなければ、許されない。
ある種のプレッシャーのようなものを勝手に感じ、新曲案を作っては捨て作っては捨てを繰り返していました。

そして2019年の春先、和太鼓彩にビックニュースが飛び込みます。

東京国際フォーラムに向け、
つんく♂さんによる楽曲提供が、、、決定!!!!

(ここの経緯を話し出すと、とっっても長くなるのでまた別の機会に…笑)

そうして来たる夢の地、東京国際フォーラム公演では、つんく♂さんの新曲と、私の作る新曲、2つの新曲で臨むこととなりました。

そして…
再び葛西さんよりお話が…笑

『東京国際フォーラムのセトリ(セットリスト)は…、もちろんみんなとも相談するけど、、、
齋の新曲を1番最後に持ってこようと思う。』

(ドーーーン!!!)

その後のメンバー内での話し合いで、私の新曲が、東京国際フォーラム公演でのラスト曲になることが決まりました。

さらなるプレッシャーという壁が立ちはだかります。
果たして自分に、みんなが納得してくれる楽曲が作れるのか!?
夢の地、東京国際フォーラムの最後にふさわしい楽曲が、楽しみにしてくれているお客様が認めてくれるような楽曲が…

いや、作るんだ!!!

これは、メンバーが俺を信じてくれてるからのこと。みんなの期待を裏切ってはいけない。

「奏」第2楽章 で表現したい世界は、
どんな壁にぶつかろうとも!力強く突き進むんだ!!

まさに、今のこの状況を乗り越えて、曲を作り上げよう!!!

もちろん楽曲制作は勝ち負けじゃないのはわかってる。
でも、つい考えてしまう。
つんく♂さんに、音楽知識もプロデュース力も勝てるわけないと。
たからこそ、和太鼓彩にいる、ずっと和太鼓彩と共に生きてきた、和太鼓彩が大好きな自分にしか作れない楽曲を、、、作ってみせる!!!

心に誓います。

こうして、和太鼓彩での日々 という重要なテーマを織り交ぜ、新曲は出来上がっていきます。

書いているうちに思いのほか作曲経緯が長くなりすぎましたね…
今回のところはここまでにさせていただき…

こういった経緯で誕生した「歩み」の、詳しい楽曲説明は次回にしましょう!
長くお付き合いいただき、ありがとうございました!

次回をお楽しみに♬

(続く…)

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