1. HOME
  2. ツアー本格的参戦〜Q〜 by酒井智彬

ツアー本格的参戦〜Q〜 by酒井智彬

日時:令和二年1月16日
執筆者:酒井智彬
タイトル:ツアー本格的参戦〜Q〜

みなさま、こんにちは、酒井智彬です!

さて、前回までのヒストリーでは、2016年のデビューやオルフェウスでの毎月LIVEのお話をさせていただきました。

今回は2017年に行われた作品『Q』について、当時デビューして半年の新人であった酒井智彬の視点からお送りしたいと思います。


時は2017年。
次のツアー作品が決まっていた!

『Q』ツアー!!

僕、酒井智彬にとってはホールで行う本格的な作品へ初めての参加となる。
デビューした2016年、先輩たちの背中をひたすら見続けたゼンダイミドン公演、オルフェウスでの毎月LIVE。

いつか背中見てきた先輩方とコンサートホールで一緒に舞台に立ちたい!
舞台で一緒に作品を表現したい!
そんな矢先に決まった公演だった。

念願の公演が決まり、より和太鼓彩の活動へ全力で取り組む僕。

太鼓って本当に楽しいな!

先輩方と一緒に演奏することが楽しいな。

お客様が自分たちの演奏で喜んでくれるなんて、なんて幸せなことなんだ!

と改めて感じ、毎日を過ごしていたが、、、

『Q』ツアーのセットリスト・メンバーがどの位置付くか分かる配置図をいただいた時に、僕の呑気に過ごしていた毎日が焦り・不安の日々へと変わる。

全三幕構成の『Q』ツアー。
その大切な第三幕、その公演の言わば見所である曲のセンターパートに自分の名前があったのである・・・

第三幕は全三曲が物語になっており、女王様と女王を守る5人の騎士のお話。

葛西さん「酒井、第三幕頼んだよ!お前にかかってるから。」

当時デビューして、半年足らずの新人に、そんな大切なパートを任せるのかという驚愕は今でも忘れられない。

大事なパートに抜擢いただき、嬉しいという気持ちはあった。
しかしそれ以上に、公演を決めるといっても過言でないような責任感のあるパートを演じきれるのかどうか。

不安の念にさいなまれながら、猛練習に突入する。


第三幕は、Tales of the Queenという物語を和太鼓や篠笛・琴を用いて演じるというもの。

演目は、2016年のメンバーにスポットを当てたオルフェウスライブで発表された三曲によって構成される。
また、それぞれのLIVEで発表された演目が実はストーリーになっていたというのが『Q』にて初めて公開されるという仕掛けであった。
作品『凛』に続く、和太鼓で物語を表現するというもの。

一曲目は、“女王の安息(メヌエット)”。
美しい女王が治める小さな穏やかな国の平和な日常を表現した一曲。

二曲目は、“女王の聖戦(マーチ)”。
平和な国に忍びよる戦火、そして、敵国と果敢に戦う女王と、五人の騎士の勇姿を描いた。

三曲目は、“女王の遺志(レクイエム)”
戦場で散ってしまった女王を想う、五人の騎士の愛を表現した。

死してなお女王、そして国を守る5人の騎士。
3曲を通して、
『これまで和太鼓彩を支えてくださった方々への感謝を胸に、
これから先の未来も、“誠実さ”を大切に突き進んでいこう』

このような表現を目指し、稽古に明け暮れます。

物語を彩るために必要な“技術”と“表現”。

僕は一曲目と三曲目では篠笛を担当し、また、二曲目では和太鼓担当しました。

篠笛の二曲をとってものそれぞれの目指す方向性、音色の種類、演奏しながらの表情への意識等、全てが異なります。
ただただ音を出せばいいわけでなく、
その世界を彩るために様々な吹き方を試し、様々表情を作る練習をメンバーとともに繰り返していきます。

一曲目のメヌエットでは、
3拍子のリズムに自然とうっとりしてしまうような澄んだ音色を。
それはそれは平和な日常をイメージできるような音色。
メヌエットという曲調を飽きさせないような息使いや強弱等、これまで意識もしてこなかった繊細さを求めました。

二曲目のマーチでは、
女王を守って戦うシーンということもあり、
緊迫感迫る太鼓の打ち様・表情・一彩くんの作る殺陣の振り付け等、猛練習しました。

その中でも僕はセンターに設置にてある3尺以上の平胴の大太鼓を全力で打ち込むという重要なポジション。

今となっては和太鼓1つをゴリゴリ打つような表現は大の得意分野ですが、

この時には、それすら新鮮で、

どんな風に腕を振り下ろせば太鼓の胴が鳴るような打ち込みができるのか、

悩みに悩みました。
この曲があったからこそ、今自分は力強い表現を得意としていることができているのかもしれません。
今の太鼓打つスタイルのきっかけとなった一曲でもあります。

三曲目のレクイエムでは、
太鼓を全力で打ち込んでからの、繊細な篠笛の旋律を奏でなくではなりません。
まるでマラソンの後に長時間、息を止めているような感覚。

指が痺れ、震え、頭の中は酸素を求め、視界が若干白く染まる中、正確に指を運んでいかなければならない。

この三曲目、最初の部分は笛の独奏でもあり、少しの乱れも許されません。

そして技術的なことをクリアした上に乗せる表現。

これまで経験したことのない様々な課題を乗り越え、僕は舞台に向かっていく。

女王の安息(メヌエット)

女王の聖戦(マーチ)

〜女王の遺志(レクイエム)〜

この舞台を通して、

和太鼓の表現できる世界の広さを

もっと上手くなって色々な表現をしたい、

お客様にもっと和太鼓彩の作る世界を楽しんでもらいたい、

そんな思いを持つようになります。

ますます和太鼓・篠笛の魅力に取り付かれ、次の舞台へ向かいます。

和太鼓彩 酒井智彬

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事