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和太鼓の妖精…彩之助爆誕!! by塩見岳大

日時:令和2年1月23日
執筆者:塩見岳大
タイトル:和太鼓の妖精…彩之助爆誕!!

2016年1月30日、
今では和太鼓彩にとって定番となっているライブ会場だが、
この日が和太鼓彩にとって初めてとなるライブシアターオルフェウスでの公演だった。

公演の名前は「2016年第一回特別企画ネクスト→」
この公演では2016年に11年目を迎える和太鼓彩が行う11の新たな挑戦が発表された。
そしてこの11の挑戦を行うプロジェクトに私達は「プロジェクトネクスト」と命名した。

プロジェクトネクストの中には、
「新メンバーの加入」として佐藤龍史のデビューや、
YouTube番組「彩チャンネル」の始動、
新曲「いくぜ!青春応援歌」発表&オリジナルムービー公開、
結成10周年全国ツアー「衝動Ⅱ」 DVD&CD販売開始、
などが含まれていた。

そして、それらのプロジェクトと並んで発表されたのが、
和太鼓彩広報部の設立&キャラクター加入、
そしてLINEスタンプの発売であった。

ライブ当日から遡ること数ヶ月前、
世情に敏感な齋英俊が毎度の如く革新的なアイデアを提案した。

「塩見、和太鼓彩のLINEスタンプ作って」

LINEが最早国民的なアプリケーションとして老若男女に浸透したこの時代、
そのコミュニケーションの傍、常に和太鼓彩がいることが出来たのならば、
なるほどそれは素晴らしい。
和太鼓彩がよりお客様の身近な存在になりつつ、
時代の流れにマッチした素敵なアイデアだと私は思った。

だがしかし、
このLINEスタンプには数々の制限があり、
その中の一つに、写真の利用禁止があった。

それまでの和太鼓彩のデザインは写真を中心にしたものであった。
それもそのはず、和太鼓彩の看板は演者であり、演奏であるからだ。

そのためまず一番最初に試行したのがメンバーの二次元化。
つまり当時のメンバーをキャラクターにしてしまおうと思ったのだ。
当時の和太鼓彩は総勢16名。
それらのメンバーを全員キャラクターに落とし込んでみた。
そしてその結果、重大な問題が発生した…

誰が誰だかわからない…!

全員同じ衣装で16人の男性を小さなイラストに落とし込まなければならないのだが、
その際に最大の書き分け要素となるのが髪型だった。

短髪黒髪多くない?
そしてライブ単位で刻々と髪型が変わってメンバー…
髪型変えたら誰が誰だかわからなくない?

…という切実な問題が発生し、
メンバーの二次元化を断念。
そして代わりに新たなアイデアの試行を開始した。

今後増え続け、外見も多様に変化していくメンバー。
そして和楽器界の中で比較的ポップ(という表現が正しいのか…)なスタンスをとっている和太鼓彩はデザイン上、写真だけではなくイラストが必要な場面も出てくるだろう。

その時に象徴となるものを作ろう。
せっかくだから「ゆるキャラブーム」という世間の潮流も取り入れて、
日本中、いや世界中に認知されるような和太鼓彩のキャラクターを創りあげよう。

そうな願いの下に生まれたのが彩之助だった。

(初期の原画なので若干身体と顔のバランスが違う…)
彩之助を生み出す上で掲げた条件をクリアするデザインの制作が本当に大変だった…
以下がその条件となる。

1: 和太鼓を用いること
2: 和太鼓彩を知らない人がそのキャラクターを見て、和太鼓彩の認知に繋がること
3: 和太鼓の他有名キャラクターと被らないこと
4: 汎用性を考慮してデータでの制作を行うこと

正直1番以外全てが難しかった。

2番は極論、私達はキャラクター制作会社ではないので彩之助が有名になって一人歩きしたところで意味がないということ。
あくまでも和太鼓彩の認知に繋がらなければならないので、
和太鼓彩のロゴを入れ、衣装を着てもらう事によって、
彩之助を知ったお客様がより高い確率で和太鼓彩を知ってもらうようにした。

3番は…当初和太鼓に顔と手と足をつけてみたところ、有名キャラクターに酷似してしまったのだ。一度こうなってしまうと抜け出すのが難しく、和太鼓を前面に押し出した上で簡潔なデザインのキャラクターを考えようとするとそちらに寄ってしまう。
これは本当に様々な案を出して、その中から人型のキャラクターの頭の上に太鼓を被せるというファンキーな作戦に辿り着いた。

その過程で下記のキャラクターの原型も同時に生み出された。
太鼓の胴におっさんの顔が描かれたキャラクター(ドン・フトシ)
(初期の原画なので若干目が小さくてつぶら…)

太鼓の中から顔を覗かせるキャラクター(鼓々音)
(初期の原画なのでまだ目に光がある…)

そして4番、
私はこれまでアナログでしか絵を描いたことがなかったので、
後の汎用性を考えデータで制作するのが本当に難しかった。
しかし元々の私の画風がリアル寄りで、
可愛いポップなキャラクターを描くのが苦手だったため、
自分の先入観や癖を白紙に戻して制作できたのは功を奏したように今は思う。

こうした難題を乗り越えて生まれたのが、彩之助だ。

ついでに初期設定案なるものが出てきたので上に載せてみる。
彩之助にずれた頭の太鼓をかぶり直す癖があったのは私も今初期設定案を掘り返してみて驚いたところだ。
今思い返すとLINEスタンプの落ち込んだ彩之助のイラストにその伏線が張られていた…

更についでに鼓々音、ドン・フトシの初期設定案も載せてみよう。

鼓々音の都合が悪くなるとすぐに太鼓の中に隠れるくせや、長所の「かわいい」という文言に私の深い愛が垣間見える一方、
ドン・フトシの設定終盤は若干なげやりになっているのが伺える。

なにはともあれこうして生まれた3人のキャラクターに、
齋と共に研究した当時流行のLINEスタンプの傾向を落とし込んで制作したLINEスタンプがこちらだ。

LINEスタンプに追われた2015年の年末は今も懐かしい。
こちらのLINEスタンプは第二弾共々下記よりご購入いただけるので、
皆様よろしくお願いいたします。
https://store.line.me/stickershop/author/86363/ja
よ ろ し く お 願 い い た し ま す !!!!

そして無事1月30日のライブで和太鼓彩広報部としてデビュー&リリースした彩之助達とLINEスタンプ。
後に巨大な着ぐるみまで作る事になろうとは当時思いもしなかった…

もしも彩之助を頭に太鼓を被った狂気に満ちたキャラクターと思っている人がいるのであれば、
彼が生まれた背景にあった私の苦悩に少し思いを馳せ、彼を愛して欲しい。

そして、ゆるキャラグランプリ2019やモンチッチくんとのコンタクトなど、
これからもガンガン活躍していくであろう彩之助とその仲間達をぜひこれからも応援していただきたいです。

はばたけ!愛しき我らが和太鼓彩広報部!!

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