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活動特集

萩原泉 ソロライブへの想い

ソロライブへの想い

今回初めての試みとなったソロライブ。
お陰様で無事に終えることができました。
まずはお礼を述べさせてください。
お越しくださった皆様、応援くださった皆様。
皆様なくして僕は舞台に立つことができません。
本当に本当にありがとうございました!

さてさて、本題。
このソロライブを振り返っていきたいと思います。
今回、開催が決まってからまず取り組んだのは、技術的なことや構成を考えることではなく、「自分はどういった姿勢で皆さんの前に立っていたいのか」ということを改めて思い返すことでした。
僕たちは団体として活動しているので団体としての意思がありますが、それだけではなく、個々人が芯の部分で自分の在り方を意識するのはとても重要なことだと思うのです。
これはちょうどここ1年間くらい考えてきたことでもあります。

昨年、芸術鑑賞会で演奏させていただいたとある高校さんが、廃校予定のため3学年揃っての芸術鑑賞会が僕たちのもので最後になるかもしれない―というところだったんですね。
その時にふと、僕達の演奏がその生徒さん達にとってどういった意味合いのものになって欲しいのかと考えました。
もちろん「和楽器をはじめとした伝統文化に興味を持つきっかけになってもらいたい」とか「将来について考える礎の1つにしてほしい」とか「できれば僕達のことを好きになってもらいたい」といった思いもあるわけですが、僕自身が個人的に最も大切にしたいのは「友達との思い出の一部にしてほしい」ということでした。
いつか同窓会なんかでこの子達が再会したときなんかに「和太鼓の演奏で一緒に盛り上がったよね」と思い出話の肴にでもしてもらえたら嬉しいなと。

これは思い返すと、看護学生時代に実習や介護ヘルパーのバイトを経験する中で辿り着いた、自分の看護師として意識していた立ち位置と同じ意味合いのものでした。
医療介護福祉職って、対象者の方ととても密に関わることも多く、場合によっては友人や家族同士のような、お互いに大切な関係になることもあるんですね。
それはとても素敵なことだし、そういった関係を築けるのは個人的にも嬉しいことだと僕は思っています(一般論的には一長一短だったりもしますがそれはまた別の話)。
でも、当時、自分がそのことを望み過ぎてしまっている気がしちゃったんですね。
実際に望み過ぎていたとも思います。
そこで改めて自分の役割とは何なのかと自問自答したんです。
毎日毎日考えたその結果、それが大きな目的であるべきではないのではないかという結論に至りました。
人間って誰しも家族や友人、恋人、仕事仲間など大切な人達が周りにいるもので、自分達はあくまでその人の(広い意味での)手足となって、その人がご家族やご友人と幸せに過ごしてもらうのが一番の目的ではないのかと。
「自分自身が“大切な存在”になること」ではなく、「“大切な存在”と幸せに過ごすためのツールであること」が一番の役割であると。
これがその頃から僕の持論でありモットーでした。
(一方で「自分自身が“大切な存在”になること」も大きな目的にすることも時には必要だと思いますし、僕自身、実際にそんな元はヘルパーと利用者という関係から始まった友人もいますが、それもまた別の話。)

その後、看護師を辞めてプロ和太鼓奏者となって足掛け6年経つわけですが、思い返すとそれからは、やっぱり「自分達自身や作品、演奏を評価されたい」という思いや、特に僕は人懐っこい性格(自分で言うのもなんですが笑)なので「お客さんと友達同士の様になりたい」という思いが強くなっていた気がするんですね。少なくとも僕は。
これはアーティストとして持ってしかるべき意識だとは思います。
でも、改めて考えると、これを僕の演者としての芯に置くのは違うのではないかと。

お陰様で僕達は沢山の方に大切または特別な存在として見ていただけていると日々感じていて、それはとても嬉しいことです。
皆さんとも「“舞台上の僕達” 対 “客席全体”」だけでなく「“個人” 対 “個人”」×100とか1,000とか10,000とかという関係を築かせていただいていると思っていますし、そう思って演奏しています。
だけれど僕達は、皆さんの例えば出産、卒業、結婚、亡くなるときなど、人生の大きな場面を一緒に過ごせるわけでは、残念ながらありません。
だから、僕は皆さんがそれぞれの大切な人との思い出を作るためのツールとしてありたいなと思います。
人間必ず別れはある訳で、家族、恋人、友人ともいつかは、転居、卒業、転職、親離れや大きいところでは死別など、何らかの別れは来ます。
その後でも僕達の演奏を観たり、ひいては太鼓や篠笛の音を何処かで聞いた時に「あの時あの人と、和太鼓彩の演奏を一緒に楽しんでいたな」と良い思い出を作る道具になれたら、僕は何よりも嬉しいのです。

長くなってしまいましたが、そんな僕の演者としての姿勢。
じゃあ次に、それをソロライブという枠にどう落とし込むかというと、結局そこで重要なことはシンプルで、「できるだけ印象に残るライブをお届けする」ということでした。
そして、そのために僕に何ができるのかというと、以下のいくつかの要素が中心となりました。
「篠笛と大太鼓を中心に、大きな方向性という意味でも、繊細な情景の移り変わりという意味でも、表現力をより高める」
「篠笛や大太鼓などのより多様な可能性を見せる」
「“萩原泉”をそのまま届けること」
最後のだけ意味がわからないと思うので注釈を入れておくと(笑)、先述のように色々考えつつ一方で、このライブに来てくださる皆さんは“萩原泉”に会いに来てくださっているので(はずなので!笑)、それをそのままお届けするのが結局は一番印象に残るのかなと思ったのです。

という訳で、ライブの中身は篠笛と大太鼓を中心に以下のような流れになりました。

【0】開演前
まず、開演前に会場で流していたのは普段、運転中や作業中によく聞くレゲエミックスのCDでした。
ゆったりとお酒を呑んで待っていていただくために、そんな雰囲気の音楽に♪

【1】担ぎ桶ソロ
初っ端からぶち壊しに行きたかったので客席から入場するためにこの始め方で。

【2】櫓乱れ打ち
僕の代名詞の一つである櫓打ち。
本来は1基の大太鼓とひたすら向き合うのが魅力の櫓打ちですが、新しい可能性は見出せないものかと4基の太鼓を並べて櫓セット打ちで演奏してみました。
本当はアンコールに使いたかったけれど、転換の都合上、目立ってネタバレ具合が酷いので最初のうちに披露しました(笑)

【3】津軽海峡冬景色
現在あらためて篠笛の稽古に通っているのですが、表現力を高めるための課題の1つでした。
男性の僕が女性の気持ちを唄うように笛を吹くのは表現力が求められ、また男性のみの和太鼓彩の中でも特殊なものにできるのではと思い、特に力を入れて取り組んでいるものをお届けしてみました。

【4】阿夫利嶺
高校時代、初めて篠笛を手にした楽曲です。
僕の演奏のルーツをお伝えする意味もあり組み込みました。
神奈川の大山という古くから信仰の対象となっている山に住む人々の生活をイメージした曲なので、より和風なテイストでお届けしました。

【5】Amazing Grace
言わずと知れた有名曲ですが、前職時代にも篠笛を個人的に習っていて、その時に練習していた曲です。
この曲の作詞者は奴隷貿易で富を得た人物で、そんな自分も神は救ってくださると、懺悔のような気持ちもあって作詞したのではないかと言われています。
僕は自分が不自由ない裕福な暮らしを過ごせているのは、直接的にしろ間接的にしろ他の誰かの人生から搾取しているお陰だと思っているので、そんな自分の価値観にあったこの1曲を改めてお届けしたいと思い演奏しました。

【6】かつての恋の唄(仮)
曲名は今書きながらとりあえず付けた完全な仮です(笑)
舞台女優さんとのコラボ等で何度か悲痛な恋の相手役をやらせていただいたりした際によく使ってきたメロディーです。
津軽海峡冬景色などで鍛えている表現力を自分の作ったメロディーでもお届けしたいと思って演奏しました。

【7】篠笛体験教室~奏合奏
皆さんに、篠笛がそこまで難しくないんだよーということと、なんとなくでも合奏できると楽しいんだよーということを感じてもらえたら嬉しいなと思って取り入れてみました。
これで篠笛人口が増えたらいいな。
舞台に上がってくださったお二人、拙い指導に付き合っていただいてありがとうございました!

【8】岳麓~1人漢祭サンドイッチver.~
僕の大太鼓ソロ曲「岳麓」の前後半の間に、和太鼓彩の代表曲「○心不乱」「大雷山」「叶」の3曲を挟み込み、ひたすら大太鼓を打ち込みました。
大きな狙いが2つありまして、1つ目は単純に体力の限界まで出し切ること(笑)。
2つ目は、大太鼓の出せる様々な音色を使って1人での演奏でも各曲を表現してお届けすることでした。
いやぁ疲れた(笑)

【9】情熱大陸
これも前職時代に練習していた楽曲です。
本編最後だったのでテンション高く皆さんと楽しみつつ、洋的でしかも難しいメロディーを演奏することで篠笛の別の1面もお見せできればと思い、お届けしました。

【10】セットソロ(ここからアンコール)
昨年、何度か非公開のコラボ演奏でシンバル2枚を使ったセットを使ったので、それを皆様の下でも凱旋のつもりでお届けしようと思って組み込みました。
シンバルは難しいけど楽しいです(笑)

【11】Jack Tar
実は「衝動Ⅱ」の時にはおおよその構成と笛のメロディーは出来ていた曲。
なんだかんだソロでない楽曲を僕がちゃんと作曲したのはこれが初めて。
うちの曲は皆さんにも参加していただく場合は声を出していただくことが多いのですが、シャイな方でも手拍子なら参加しやすいだろうということで、皆さんと一緒に演奏したくて作った曲です。
今回は他のメンバーに頼れないので、自分で太鼓を数パート撮影してきたのですが、映像編集が雑でごめんなさい(笑)
ちゃんと生バンド形式(といえば良いのか?)でもお届けしたいと思っています!
ちなみに曲名は僕の一番好きなカクテルの名前!

【12】奏
最後の最後は、先述した「自分はどういった姿勢で皆さんの前に立っていたいのか」という気持ちを特にしっかりと持って演奏をお届けしたく、そのためにはこの曲しかありませんでした。
会場にお越しの皆様はもちろん、その場にいらっしゃらない皆様のことも思って演奏させていただきました。

【00】終演後
終演後は僕の好きなPOPSやROCKの曲をしっとりめ中心に流しました。
普段聞く音楽が人間を作り上げる一部になるという考えを持っているので、「萩原泉のソロライブ」の余韻を引き摺ってもらうためにはそれが一番かなと思って。

そんな内容のライブでした!
お楽しみいただけていましたら幸いです!

これからに向けて

さぁ僕のソロライブはそんな感じだったわけですが、他メンバーのソロライブも身内ながらそれぞれ面白いなぁと思って見ていました。

齋は、やはり音楽性の素養の高さ。
本当に素晴らしいなと思います。
今後、僕が作曲することがあっても齋に編曲などの相談は是非させてもらいたいし、彼の作る曲を演奏するのが楽しみですね。

塩見は、一体これは何のライブなのだとも思いましたが(笑)、あそこまで笑いを起こせるのはさすがだし、なんだかんだ作り込む真面目さもありますよね(笑)
ちなみに、Jack Tarは是非とも塩見と一緒にMCやりたいんですよ。

葛西は、やはりまず1音1音の丁寧さから見習わなければと改めて思わされました。
そして、和太鼓における伝統の部分をもっと知らなければいけないというのは僕も常日頃、思っていることなので、葛西から吸収していかなくてはと思っています。

そんな皆とここからはまた集結していく訳で、僕自身とても楽しみな気持ちが大きいです!
各自の持ち味は1つや2つではないですが、それぞれのどの部分をどの場面でどうやって融合させていくのか、可能性は無限大!
また、決して皆に甘えてしまうのではなく、今回のように自分自身に責任を持ちながら、お互いに高めあっていきたいと思います。

そんなところも気に留めながら見守っていてくださったら嬉しいです。
以降の公演もどうぞお楽しみに!

今後とも応援の程、よろしくお願い致します!!