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活動特集

葛西啓之 ソロライブへの想い

※3月21日 「SAI LAND “四位一体篇”」ギャラクシティ西新井文化ホール公演までの限定公開とさせていただきます。

ソロライブへの想い

私、葛西啓之は、「太鼓そのもの」をテーマにソロライブをお送りさせていただきました。お越しくださいました皆様、応援くださいました皆様、本当にありがとうございました。

さて、私は高校時代に太鼓に出会い、太鼓を始めたのですが、その時から「創作太鼓」を中心にやってきました。
「創作太鼓」とは、今現在私たちがやっているような、舞台の上で、複数人で自作曲を演奏する形態です。
「音楽」でもあり「パフォーマンス」でもあり、そして「舞台芸術」でもある太鼓です。

そんな中、2016年に「和太鼓を社会的意義のあるものへ」というスローガンを打ち出しました。
太鼓をもっともっと社会に役立つものにしていきた。社会にとって、太鼓を必要不可欠な存在にしていきたい。
これは、ある種「創作太鼓」からの脱却であり、新しい太鼓の可能性を拡げる冒険でもありました。

太鼓は、世界でも最も古い楽器と言われ、それぞれの時代において、様々な使われ方をしてきました。
「創作太鼓」というのは戦後に始まった太鼓の新しい形であり、そして、現代における最も流行りの形でもあるわけですが、それが太鼓の全てではありません。
それまで「創作太鼓」を一目散に追い続けて来たのですが、もう少し視野を広げ、太鼓の新しいの可能性を探り、太鼓をもっともっと世の中にとって役に立つものにしていきたい、そんな想いから打ち出したスローガンになります。

そして2016年、17年と、太鼓の“新しい可能性”を探る旅に出ました。
応援曲を作ってみたり、ダンスを取り入れてみたり、殺陣を取り入れてみたり。
はたまた、教育事業を展開したり、医療・福祉の業界ともコラボレーションをさせていただきました。
そして2017年には、それらの集大成として、ツアー「新世界」を敢行。
私なりに、太鼓の新しい可能性を追求する、非常に充実した2年間を送ることができたように思います。

しかし、その2年間は、私にとって100%満足のいくものでありませんでした。
太鼓の新しい可能性を探り続ける一方で、何か、私の中で欠けていることを痛感したのです。
果たして、何が欠けていたのか。

それは、「過去」です。

創作太鼓の畑で生きてきた私は、「新しい太鼓の可能性」を追い求めることに躍起になり、「過去の太鼓=これまで太鼓が、どのような役割を担ってきたか」ということを見れていなかったのです。

「過去を知らない私が何を作っても、説得力は生まれない」
そんな言葉が、胸に突き刺さりました。

そしてこれは、「自分は伝統的な太鼓の家に生まれたわけではなく、高校から太鼓を始め、大学に行き、社会人も経験した。だからこそ、太鼓の新しい可能性を生み出せるはずである」とこれまで信じ続けてきた、根底にある自信の喪失であり、私自身の「社会人経験のある和太鼓奏者」というアイデンティティの崩壊でもありました。

そして迎えた2018年。
喪失した自信を取り戻し、確固たる土台を作り、そして何より、皆様にとって、社会にとってお役に立てる和太鼓表現を一から作るために、「太鼓の全てを知ろう」と決意しました。
過去、いつの時代に、どんな風に太鼓が使われてきたのか。
これまでどの場所で、どんな風に太鼓が役に立ってきたのか。
その全てと向き合い、太鼓の可能性を根本から探ろう、と決意しました。

それから約1年間、太鼓に関する様々な論文を読み、浅野文化研究所様発行の「たいころじい」を全巻読み、お囃子やお神楽をはじめとした、様々な太鼓を勉強しに伺いました。
もちろん、1年間で学びきれるものではなく、「太鼓の全てを勉強した」と言いきるには程遠いと思います。

しかし、1年間の勉強で見えてきたものもありました。
改めて、太鼓にはこんな役割があったんだ、こんな価値があるんだ、という発見がありました。

今回のソロライブではその経験をもとに、「太鼓そのもの」に焦点を当て、これまでの和太鼓彩の公演とは少し趣向の違った表現をお送りさせていただいたつもりです。

皆様に和太鼓の素晴らしき財産を少しでもお届けすることができておりましたら、幸いです。

<セットリスト>
1.開演の音 〜時を知らせる太鼓〜
2.一番太鼓 〜天下泰平〜
3.ひとりでできるもん 〜音色の二面性〜
4.大雷山 〜音楽性の追求〜
5.Be Ready.2 〜お客様と共に楽しむ〜
6.負けるなメイちゃん 〜雨音の再現/間とゆらぎ〜
7.チャッパッパ 〜相棒はハイハット〜
8.大太鼓叙情祈曲 〜代弁者としての太鼓の在り方〜
9.曲名未公開 〜未来への希望・揺るがない信念〜
アンコール まつりだ、まつりだ、おまつりだ〜!! 〜楽しいが響きわたる〜

これからに向けて(メンバーへの想い)

もちろん、過去を知るだけでは意味がありません。
大切なのは、それをどう「今」に生かし、「未来」に繋げていけるかです。

ここでようやく、私自身強み・アイデンティティが生かせるのでは、と思います。
大学を出て、社会人として勤めてきた経験。
その生活の中で、私は「現代社会に仕組み」を学びました。
もちろんこれも、「学びきった」と言い切れるものではないですが、その経験は確実に私にとって財産となっており、「敷居が高い」と言われる伝統芸能の業界において「一般社会」の観点を取り入れることは、必ずや新しい価値を生み出すと確信しています。
これが私の目指す「太鼓と社会の融合」であり、そして、「和太鼓を社会的意義のあるものへ」の体現であります。

そして何より、私には心強い仲間達がいます。
ある種、こんなにも堅苦しく、重苦しい私の想いを真摯に受け止め、同じように、1年間外に出て様々なことを学び、堂々たるソロライブを披露してくれた萩原・齋・塩見。
萩原は表現力を、齋は曲作りを、塩見はエンターテイメント性を、確固たる土台あるものにしてくれました。
3月21日の「SAI LAND」ギャラクシティ公演では、この4人それぞれが学んできたものを再集結させ、本当の意味で「新しい和太鼓表現」をお届けしたいと思います。

そして来たる10月の東京国際フォーラム公演に向け、この4人が先頭となり、和太鼓グループ彩 -sai- 全体として、「これが現代において最も魅力ある和太鼓の姿だ!」と胸を張って言えるものを作っていきたいと思います。

何より、その先に、いつも和太鼓彩を応援してくださる皆様の笑顔と幸せな時間があることを願ってやみません。

改めまして、今回初の試みとなりました「ソロライブ」。
私たちの4人の未熟な、そして果敢な挑戦を温かく見守ってくださいました皆様に、心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

今後とも和太鼓グループ彩をよろしくお願い致します。