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しおさいの逆襲 by塩見岳大

日時:令和元年12月8日
執筆者:塩見岳大
タイトル:しおさいの逆襲

全ての少年の脳内にはファンタジーがある。
僕はそう思います。

だからこそ少年は週刊少年ジャンプに心を激しく揺り動かされ、
ロード・オブ・ザ・リングに胸を踊らせ、
ホグワーツに憧れ、
ファイナルファンタジーに没頭するのであります。

漫画、映画、小説、ゲームで醸成された妄想力をもって、
少年の脳内のファンタジーは更に拡大し、ディテールが深くなっていくのです。

そして何歳になっても永遠の少年たる塩見と齋が、
それまでの人生をかけて生み出した、
脳内に広がる広大なファンタジーを具現化した企画がありました。

それが2016年10月21日に行った、
2016年第8回特別企画 「しおさいの逆襲」。
その公演中の伝説の企画、
「しおさいの逆襲 -黒蝶と六つの神器」です。

この企画はこれでも塩見と齋、合わせて「しおさい」が、
お客様に楽しんでいただくために何をすれば良いかを必死に考えて生み出されたものなのです。

和太鼓彩のメンバーでファンタジーの世界を作り上たら面白いのではないか?いや、面白いに違いない、と方向性が決まってから台本が出来上がるまでは一瞬でした。
齋とは付き合いも長いので「こういった展開になったら勿論こうなるよね」と、二人で話しているだけでどんどんと世界が創り上げられていきました。

物語は、
シオサイ王国を侵略した悪の帝王カサイを打ち倒すために、
王国の王子である二人、
シオン・シオサイ

とヒデ・シオサイ

が立ち上がり、旅に出るところから始まります。
旅先では様々な仲間との出会いがありました。

二の腕に持つ筋肉水晶で未来を占う風水士、オナベ。

攫われた妹達を取り戻すために立ち上がった関西弁の戦士、トモアキ。

そして、飛騨の山奥に住むチャクラム使い、飛騨のイサオ。

シオサイ一行は様々な困難を仲間と共に乗り越えました。

因みにこの過程で僕は年月をかけて伸ばしたチョンマゲを舞台上、
お客様の前で断髪し、リアルに失った物もありました。

やがて強敵だった、カサイ帝国第三将軍、疾風のヤマディーも太鼓バトルで倒し…

最後は、
齋作曲の「黒蝶」を演奏して帝王カサイを打ち倒したのでした。

やはり演者誰もが少年の心を持っていたので、
皆ノリノリで演じ、アレンジも加えていき、
衣装を決める際も終始テンションは上がったままでした。

強いて大変だった点を挙げるとすれば、
物語の進行と演奏と笑いのバランスを取るのが大変だった事でしょうか。
練習中、皆が自由にアレンジして話し始めると物語が進行せず、時間がどんどん伸びてしまうのです。(結局本番当日も伸びましたが 笑)
また、どうすれば違和感無くバトルシーンを太鼓の演奏で表現できるか、試行錯誤を重ねた記憶もございます。

結果として和太鼓彩が今まで行ってきた公演の中でも、かなりの異色作が仕上がりましたが、
お越しいただいたお客様にはご満足いただけたと思っております。
ご満足いただけましたよね? 笑

さて、今回は僕と齋の渾身のライブをご紹介したかったのは勿論あります。
多分にあるのですが、もう一つ伝えたいことがあるのです。

僕達の公演、演目、演奏から刻むリズムの一つ一つまで、
何もないところから唐突に現れる訳でも、空から降ってくる訳でもありません。

全て僕達の過去から生まれてきたものだと思います。
育った環境、
出会った人、
見た景色、
聞いた言葉、
嗅いだ匂い、
食べた味、
触れたもの、
ありとあらゆる経験を咀嚼して生み出されたものだと思うのです。

なので、僕達の演奏をご覧いただける際には、
その公演、演目、演奏、所作の背景にある僕達の過去に想いを巡らせてみると、
いつもとは少し違った楽しみ方が出来るかもしれません。

是非、僕達の演奏をたくさんご覧いただき、
色々な角度で、たくさん楽しんでいただけると、
演者冥利に尽きます。

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