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【葛西啓之よりご挨拶】葛西啓之和太鼓彩卒業のお知らせ

いつも応援ありがとうございます。

この度、私、葛西啓之は和太鼓彩を卒業させていただくこととなりました。

2005年に結成し、2013年よりプロ化。
プロになってからは9年間、和太鼓彩結成からは17年間、全国ツアーや海外公演はじめ、おかげさまでたくさんの貴重な経験をさせていただきました。
これまで和太鼓彩を、私の人生を応援くださいました全ての皆様に心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

さて、驚かせてしまって申し訳ありませんが、「卒業」と言いましても、私が和太鼓彩からいなくなるわけではありません。
5月より新法人を立ち上げ、和太鼓・和文化の更なる発展に向けた活動をしてまいります。
和太鼓彩・WiNGSもその法人の中に所属し、私が新法人の社長に就任。
和太鼓彩の代表は齋英俊が引き継ぐ形となります。
同じ法人に所属する仲間として、和太鼓彩・WiNGSともこれから先も一緒に活動をしていく場面が多々あるかと思いますので、どうぞ皆様、今後ともご支援の程よろしくお願い申し上げます。

以下、文面にて大変恐縮ですが、今後の私の活動についてお話しさせてください。
具体的には、大きく下記3つの活動を行ってまいります。

①和太鼓・和文化を活用した社会貢献活動の展開

これは、私が以前から持っていた夢です。
さかのぼること5年ほど前でしょうか。
和太鼓彩は基本的には「演奏活動」を主とした音楽・パォーマンス団体ですが
和太鼓力はそれにとどまらず、もっと様々な形で現代社会に貢献できるのでは、と思ったことが始まりです。

和太鼓は有史以来、日本人の様々な生活の場で使われてきました。
古くは信仰の道具として。
戦国時代には味方を鼓舞する道具として。
江戸時代には刻を知らせる道具として。
歴史を遡ってみると、和太鼓は日本人の生活になくてはならないとても大切な楽器として、日本人とともに育ってきました。
現代でこそ和太鼓は主に「演奏ツール」として使われることが多いですが、和太鼓、そして和文化の可能性は無限大。もっともっと日本の、世界のために活躍できるツールであると確信しています。

特に、これからの時代、既存の社会システムが変化を余儀なくされ、新たな価値観が求められる激流の世の中において、和文化が持つ「思いやりの精神」「暗闇にすら美を見出す美意識」、そういった感覚・感性が非常に重要になってくると感じています。

以上のような思いをもとに、私自身改めて和文化を勉強し直し、演奏活動にとどまらない様々な形での社会貢献活動を立ち上げていきたいと思っております。

②ソロアーティスト活動

和太鼓彩を卒業後、ソロアーティスト活動も行ってまいります。
ソロアーティストとして、和の本質を体現すること、和の伝道師となることを目的に活動いたします。
和太鼓彩はこれまで、音楽・パフォーマンス集団として成長を遂げてまいりました。
これは意図的というわけではないのですが、和太鼓界そのものが音楽・パフォーマンスの一つとして活躍している部分が大きく、和太鼓彩結成当初から他の和太鼓チームと同じく「音楽・パフォーマンス団体として大成することが正義である」と信じて突き進んでまいりました。
もちろんそれは大切なことですが、活動を続けていく中で、もっともっと「和の本質」、「和」という文字に隠された日本人の精神性、そういったものを探求したいという思いが強くなりました。

和太鼓彩の一員としてその探求を続ける選択肢もありましたが、和太鼓彩がこれまで培ってきた音楽・パフォーマンス・エンターテイメントとしての和太鼓も私は大好きです。
和太鼓彩の演奏を通じてたくさんの方々と楽しい時間を過ごさせていただきましたし、これからも和太鼓彩の楽しい音楽を必要としてくださる方はきっと、たくさんいらっしゃると思います。
そのことを考えた時に、たとえ代表であっても、私の一存で和太鼓彩の方向性・音楽を大きく変えることはできない、そのように感じ、私が和太鼓彩を卒業し、ソロアーティストとして活動させていただく決断を致しました。

③和太鼓奏者のキャリア育成、終身雇用の実現

大変長くなってしまいましたが、最後にもう一つお話させてください。
和太鼓という楽器は、打ち方や表現方法にもよりますが、非常に体力を要する楽器です。
年齢とともに表現の幅は変わってきますし、怪我や病気によって奏者として舞台に立てなくなることもあり、そういったことへの懸念が、若者が「プロ和太鼓奏者」になることに足踏みしてしまう一つの要因であるとも感じております。
また、和太鼓彩・WiNGSには20名を超える若者たちにとっても、彼らが「生涯幸せに暮らしていける環境作り」というのが大きな課題であるとこの10年間で感じてきました。

そのためにも、上述の①・②の活動を通じて、先んじて私が様々な和文化の未来を切り拓くことで、彼らが将来「演者」以外のあり方を目指した時、はたまた、和太鼓彩以外の場所でアーティスト活動をしたいと思った時、そういった様々なニーズやリスクに対応できる組織づくりをしていきたいと思います。

現代では「食べていけない」と言われる和太鼓の道。
「日本人が日本の文化を志したのに、できない」
そんな悲しいことはありません。
和太鼓彩、WiNGSのメンバーはもちろん、全ての日本人が和文化を志した時に安心して暮らしていける環境づくりを。
そのためにも、「和文化」そのものの価値と需要を高め、世界中で和文化が必要とされる環境づくりを邁進していきたいと思っております。

以上が、おおまかではございますが、卒業後に私が目指していく3つの活動方針となります。
勝手ながらではございますが、どうぞ皆様今後とも、和太鼓彩・WiNGS、ならびに葛西啓之の応援、よろしくお願い申し上げます。


私の「和太鼓彩メンバー」としての最終公演は、5月7日、亀有リリオホールにて行われる「彩Collection2022」となります。
最後に大人数でお祭り騒ぎがしたい!という私のお願いをメンバーに聞いていただき、この度久しぶりに「彩Collection」を実施する運びとなりました。
こういったご時世ですのでメンバー全員で、というのが難しい状況ではありますが、なるべく多くのメンバーと一緒に、そしてこれまで応援してくださいました皆様と一緒に、楽しい時間を過ごさせていただければと思っております。

先述の通り、同じ法人に所属しますのでこれで最後、というわけでないのですが、一つの節目として、皆様への感謝の気持ちを胸に精一杯演奏させていただきます。
どうぞ皆様、お越しいただけますと幸いです。

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