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塩見岳大の「衝動」 by塩見岳大

日時:平成30年12月30日
執筆者:塩見岳大
タイトル:塩見岳大の「衝動」

今日は僕、塩見岳大の初ホール演奏、
「衝動」の話をさせていただければと思います。

2012年の1月10日、僕は衝撃を受けました。
同じ和太鼓部で共に高校時代を過ごしていた仲間たち、
齋、執行、紺谷が汗をかき、笑顔を振りまき、
お客様の拍手を浴びて舞台上で輝いている姿を見た時、
僕にとってそれはあまりに眩しかったのです。

その舞台が北沢タウンホールで行われた「衝動」公演でした。
以前、ヒストリーページでも紹介させていただきましたが、
「La Casta」という別の和太鼓チームで活動を行なっていた僕にとって、
和太鼓に入団した高校時代の同期の活躍は喜ばしくも、
それ以上に嫉妬せざるを得ないほどの輝きを放っていました。

僕もあの舞台に立ちたい。
あの声援を、
拍手を浴びてみたい。

そんな気持ちを胸に僕は和太鼓の門を叩き、
2012年4月に晴れて入団することになったのでございます。

僕が4月に入団した頃には8月11日につくばノバホールにて、
再び「衝動」公演が行われることが決定していました。

当時の和太鼓は2018年現在と比べるとメンバーは半分以下。
そして何よりアマチュアの和太鼓チームだったので、
入団即「衝動」公演の出演が決まり、
入団してから憧れの「衝動」公演の舞台に立つまでの想定外の道のりの短さに驚きが隠せませんでした。
もちろん驚き以上の喜びもありました。
高校時代の同期と数年ぶりに同じ舞台に立てる感動もありました。
しかし、演目案を覗いてみれば、
演目数的にもガッツリたっぷり出演させてもらえるようで、
込み上げてくる焦り、プレッシャーも相当なものした。

現在の和太鼓と比べれば練習環境もまだ十全と言えるものではありませんでした。
これは練習が足りないと感じた僕は、
同期の齋、執行、紺谷を呼び出し、音楽室を借り、桶太鼓を手運びで集めて、
四人でよく練習したものです。

齋、執行、紺谷、あの時は練習に付き合ってくれてありがとう!!!

練習が終われば皆でお酒を引っ掛けながら、
夢を語り合い、おおいに盛り上がったものです。
それこそ…
「いつか、東京国際フォーラムでライブやりたいよね」
なんて話もしたかもしれません。

あの当時、夢物語のように語った理想を、
今いくつ叶えられているのでしょう。

もうあまり覚えていない遥か過去のことのように感じますが、
とにかく楽しくて充実した日々であったことだけは確かです。

同期の協力による特別練習の甲斐もあって、
順調に練習を進め、
そして迎えた2012年8月11日「衝動」公演。

初のホール公演という緊張感で口から心臓を吐き出しそうにもなりましたが、
僕の仲間には高校時代、和太鼓部で名を馳せた伝説的な先輩方、
そして面倒見の良い同期がいると思えば気持ちも楽になるものでしょう。

本番前、メンバー全員で円陣を組めば、
高鳴る鼓動は苦しいものではなく、
心地の良いものへとなっていきます。

葛西さんの「行くぞ!」
という掛け声に、皆で「おう!」
と答えた瞬間に、頭の中でスイッチが切り替わり、
心の中で轟々と炎が湧き上がります。

あの瞬間は本当にどんなことでも出来るような気持ちになるのです。
なんなら空も飛べた気がします。

やがて開演のベルが鳴り、
幕が上がり、
照明を浴び、
そしてお客様の拍手と声援を受けた時、
僕は思いました。

「僕の生きる場所を見つけた」

初ホール公演にて、
和太鼓の舞台こそ自分の生きる場所だと確信した8ヶ月後、
和太鼓はプロの和太鼓グループへとステップアップし、
そして僕もプロの道へと飛び出したのでありました。

やはり初ホール公演は僕にとって大きく感情が動いた公演であり、
僕の未来を確定させた公演でもあるのでかなり思い入れが深いですね。

「衝動」ツアーはまたきっと、たぶん、復刻すると思うので、
皆様是非その時を楽しみにしていてください 笑

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