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アゼルバイジャン2017 by塩見岳大

日時:令和2年5月4日
執筆者:塩見岳大
タイトル:アゼルバイジャン2017

僕の父は昔から海外に行くことが多く、
僕も小学生の頃一年半ほど父に同行してアメリカに住んでおりました。

そんな経験に影響されてかはわかりませんが、
大人になったら海外を飛び回る仕事をしてみたい、と思っていた時期がありました。
たしか…中学校の頃に青年海外協力隊について少し調べていたような気がします。
僕は昔からコロコロ夢を変える性質を持っていたので、
ほとんど忘れさられていた記憶ですが…

しかし海外で仕事をしたいという大雑把な思いがあったのは確かで、
まさか和太鼓奏者という夢を叶えつつ、
こちらの夢も叶えることが出来るとは夢にも思っていなかったので、
海外での演奏は毎度胸を踊らせております。

さて、今回は2017年12月4日から9日にかけて行った、
在アゼルバイジャン日本国大使館&Lexus Baku/ISR Auto共同主催コンサートの様子をレポートしていきたいと思います!

皆様、アゼルバイジャンという国をご存知でしょうか?
地理的には中東とヨーロッパの境、この辺りにあります。

実はこれより以前に、葛西、そして齋がそれぞれ別の和楽器奏者の方々と一緒にアゼルバイジャンへ行っておりましたので、話は聞いていました。
僕としては二人から食卓上、溢れんばかりに並ぶラム肉の話を聞いていたこともあり、
アゼルバイジャンモチベーションはマックスでございました。

演者数や楽器の数は国内の演奏と比べると限定されるので、
その環境をシミュレーションしてセットリストを作り練習を重ね、
メンバー一同気持ちを高ぶらせながらアゼルバイジャンへと渡ります。

向かった先はアゼルバイジャンの首都バクー。
バクーには「風の街」という意味があるようです。
「風の街のバクー」という響きだけでもう物語が始まりそうで、
僕のときめき指数はうなぎ昇りでございます。

演奏会場やホテルは首都の中心部にあったので、
立ち並ぶ高層ビルときらびやかなホテルにより、
近未来的な美しさのある街並みでした。

そして、アゼルバイジャンは石油が潤沢なようで、
それに紐付いた大変興味深い施設を発見しました。

石油風呂。

石油風呂…!?

石油を風呂にしてしまうという日本では考えられない発想!
現地では民間療法として普及(?)しているようですが、
これこそアゼルバイジャンでないと体験できそうにないと思い、
チャレンジしてみました。

石油風呂は病院のような施設(病院だったかもしれない)で診察を受けないと入ることが出来ません。
無事診察を突破し、脱衣所で衣服を脱ぎ、
裸一貫、不安を胸に抱えながら案内されたのは空の浴槽。

浴槽自体は何の変哲もないのですが、
この時点で既に匂いがヤバイ!

言われるがままに浴槽の中へと入って座り込むと、
付属の蛇口から黒い液体がどばどばと出てくるじゃありませんか!?

匂いの発生源は間違いなくこの黒い液体!
掬ってみるとそれは透過性が極めて低く、
触れた箇所はもの凄くヌルヌルに。
僕は石油を触ったことがないのでもちろん確証はありませんが、
これが石油なのでしょう。
これが石油風呂なのでしょう!!

特に浸かっていて気持ち良いといった感覚はありませんでしたが、
浴槽の中に溜まっていく漆黒に体が飲まれていく体験が奇妙で、
アドレナリンはいっぱい出たように思います。

浴槽に石油が八割ほど溜まった後、
数分それに浸かると風呂のせんが抜かれて、
石油は何処かへ流れていきます。
勿体無いっ!

やはり油なのでヌメヌメ度が尋常ではなく、
浴槽から出た一歩目のタイルの上で滑って転びそうになりました。
すぐそばのシャワーヘッドを用いて体中の石油を洗い流しますが、
これが石鹸を使っても本当に落ちない!
洗っても洗ってもヌメヌメするので、
たぶん石油に全身浸かっている時間より、洗い流している時間の方が長かったんじゃないかと思います。

僕にはそれが民間療法として何かしらの効果があるのか、
身体に良いのか悪いのか判断しかねますが、
貴重な体験が出来て、楽しい思い出になったことは間違いありません。

その後、近未来的な街の中心部から少し離れたバクー旧市街へ。

こちらの街並みが大変塩見の好みに刺さりました。
ゲームに出てきそうなファンタジーな街並みなのですが、
観光地であるつつ観光客に溢れていることはないので、
存分に浸ることが出来ます。
少し小道に入ったところとかろに宝箱がおいてあってもおかしくない雰囲気でした。

完全に雰囲気に酔いしれる齋、牛道、塩見。
いつかこの旧市街で和太鼓彩のPV撮りたいです。本当に!

そして、もちろん僕達遊びにきたわけじゃありません!
空き時間があればその国、その地域の文化を学びにいきますが、
決して遊んでいるわけじゃありません。学んでいるのです!
文化を学び、演奏のモチベーションを高めているのでございます!

ホールでの公演やパーティでの演奏。
照明や音響は現地の国の方にやっていただくことが多いので、
舞台上にもなんとなくその国のカラーが混ざります。
そこも楽しみの一つですね。

日本人だったらここはこういう照明、音響にするだろうな、
といったところで感性の違いが出て、
僕達に合わしていただくこともありますし、
そのままいかせていただくこともあります。

また、お客様の反応が違います。
同じ演目を演奏しても、盛り上がる場所が異なる箇所もありますし、
お客様の盛り上がりの表現も異なります。

演者はやはりお客様の空気を肌に感じて演奏するので、
テンポや、間や、表現、ソロが変化していきます。
その環境に合わせてメンバーと以心伝心で対応していき、
それがぴったりとお客様にハマった時が最高に気持ち良いのでございます。

アゼルバイジャンの皆様も演奏が終わった後は、
立ち上がって止まない拍手と歓声を送ってくださいました。
言葉も文化も宗教も異なり、直接喋ったこともない皆様と心が繋がるこの感覚は、
何度経験しても最高のものです。
何度経験しても最高なので、何度でもやりたいです。
また、アゼルバイジャンに行きたいです!
何度でも行きたいので、アゼルバイジャンにいる皆様、
是非また、和太鼓彩を呼んでくださいね!

最後は演奏後、
念願のラム肉をたらふく頬張った後、
お店にあった水煙草を吸ってみる塩見の写真でお別れしましょう。
バイバーイ!!

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