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「踊る海鳴り」作曲秘話〜和太鼓×海×男子校!?〜 by酒井智彬

日時:令和3年1月12日
執筆者:酒井智彬
タイトル:「踊る海鳴り」作曲秘話〜和太鼓×海×男子校!?〜

皆さま、こんにちは。
酒井智彬です!

今回は、2020年11月15日に行われた「和太鼓グループ彩-sai- 逗子公演 Vol.2」にて発表させていただきました「踊る海鳴り」の作曲秘話を振り返っていきたいと思います♩

まずは、曲の発表の場となりました和太鼓グループ彩-sai- 逗子公演は、なんと2019年に引き続き、なんと2回目!
2年連続で演奏をお届けできるって幸せなことです。
そして、この新型コロナウイルスで大変な状況の中、お越しくださったお客様、そして開催に向け尽力くださったご関係者の皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。

さて、この逗子公演の特徴といえば、和太鼓彩の演奏に加え、地元の高校生「逗子開成高校和太鼓部」とのコラボ演奏があること!

2019年に行われた第1回目の逗子公演の際も逗子開成高校和太鼓部とのコラボ演奏をさせていただきました。


2019年 集合写真

2019年の公演は大成功に終わり、迎えた2020年!
再び逗子開成高校和太鼓部の皆さんとコラボ演奏をすることになりました。

2019年のコラボ演奏は、和太鼓彩の楽曲「祭宴」や「Be Ready.」等に出演していただいたのですが、2020年は一味違います!
昨年よりもさらにパワーアップした公演をお届けすべく合同で演奏する新曲を発表することになったんです。パチパチッ‼︎

そうして新曲「踊る海鳴り」を作曲させていただきました。
実は僕、和太鼓彩で演奏する楽曲の作曲は、初めてで、どんな曲になるかドキドキ・ワクワクが止まりませんでした(笑)


新曲のリズムや旋律を作る前に、コンセプト決めから始まります!

さて、どんなコンセプトにするか・・・

和太鼓の曲と一口に言っても、様々な表現ができます。

かっこいい系、それともゴリゴリ打つ系、楽しい系・静寂系
また、篠笛等の旋律楽器の有無等・・・

色々悩みましたが、最終的には “和太鼓彩”と“逗子開成高校”といえばやっぱり“これ”だという共通のアイデンティティがあります。

それは・・・

――男子校出身――

女性がいない、男性だけの環境。
異性がいない分、カッコつけず、いい意味で素の自分をさらけ出し、毎日がお祭りのような賑やかな学校生活。

これだ!!
「カッコつけない等身大の男だらけのお祭り・男子校の空気感」を表現しよう。

そして、もう1つ重要なコンセプトを決めます。

逗子といえば、海の街!!
そんな逗子にある逗子開成高校の皆さんは海と共に育ちます。

ただただ海が近くにあって、学校生活を過ごしているわけではありません。
海を授業実践の場として、ヨット実習や遠泳といった特殊な環境を利用しているそうです。
僕もやってみたいっ!笑

そんなところから発想をいただいて、

「逗子の海や海と共に成長する様子・その元気のよさ」を表現しよう。

曲のコンセプトが決定しました!

次に、コンセプトをリズムと旋律に落とし込みます!

男子校のお祭り感・元気のよさを表現するために、
体の躍動感が溢れ出るよう跳ねるような地打ちで、お祭りのような笛の旋律を作ります。

お祭りのような笛といっても様々な表現の方向性があるかと思いますが、
高校生にも馴染みやすいような和風旋律にその味を出す指打ちを多く加えました。

そして、曲中に登場する掛け声は、逗子開成高校ならではのポイントを加えてみました!

「え〜んやこらぁ〜!」という掛け声なのですが、実は、普段の学校の授業で登場するんです。
授業の中で掛け声があることがびっくりですが、その授業の内容を聞いて納得しました(笑)

それは、遠泳の授業です!
遠泳の際には、バディを組み、その相方が溺れていないことを確認するために、「え〜んやこらぁ〜!」と掛け声を互いに発するそうです。

「踊る海鳴り」でも舞台の右手側と左手側で互いに声を掛け合っており、逗子の海と共に育つ逗子の若者の様子を表現してみたのでした!

基本的に曲の進行は、
「カッコつけない等身大の男だらけのお祭り・男子校の空気感」

「逗子の海や海と共に成長する様子・その元気のよさ」
というコンセプトに則っていますが、1箇所だけ例外があります。

普段カッコつけない男子校でも・・・・

カッコつけたい時あるやん!
そんな顔もしてみたいやん!!

男子校は、基本男しかいないので、学校生活でカッコつけるなんてシーンはほとんどありません。

でも・・・

というちょっと背伸びをしたい時ないですか?
皆さん、ありますよねっ!うん、ある!笑

そんな男子校生の思春期の初々しい気持ちを表現したく、曲にも入れてみました!

そのパートでは、笛の旋律がこれまで出てこなかった半音を使いジャズっぽくなり、
太鼓パートには休符遊びを入れてみたりと!

そして演者の表情はJazzyな顔になります(笑)

この部分を練習した後の代表(葛西さん)のツイート
https://twitter.com/kasai_sai/status/1321838140907114496?s=20


そんなこんなで曲が完成し、たくさんの合同練習を重ねます。

一緒に演じる高校生たちは、新型コロナウイルスの影響もあり、例年通りの活動や演奏ができていない中での練習でした。
どうにかして、高校生たちの例年の経験を補うような練習や本番ができないものかと。
そんなことを僕たちが考えることは、おこがましいかもしれません。
しかし、自分自身も高校和太鼓部に所属していた頃、練習や演奏の一つひとつが気付きの連続で、たくさんの人に支えられ、かけがえのない貴重な経験をさせていただいきました。
だからこそ、高校生たちに何か糧になるような経験をさせてあげたい。
そんな思いを込め、精一杯、合同練習に臨ませていただきました。

迎えた本番!

一体どんな演奏になったのか!?

彩チャンネルで「和太鼓グループ彩-sai- 逗子公演 Vol.2」を振り返っていますので、ぜひご覧ください!

以上、「踊る海鳴り」の作曲秘話でした!
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

―――おまけ―――
逗子開成高校和太鼓部の皆さんとパシャリ!

また会える日を願い、和太鼓に向き合います。

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