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晴れ囃子作曲秘話①〜お祭りと祭り囃子〜 by酒井智彬

日時:令和3年2月23日
執筆者:酒井智彬
タイトル:晴れ囃子作曲秘話①〜お祭りと祭り囃子〜

皆さま、こんにちは。
酒井智彬です!

今回は、2020年12月23日に行われた和太鼓彩ファンイベント”彩ホーム vol.10” 「大新曲まつり!!!!!!」にて発表し、彩TIMES 2nd.でもご紹介させていただいた「晴れ囃子」という楽曲の作曲秘話を振り返っていきたいと思います♩

楽曲の発表場所となった「大新曲まつり!!!!!!」という公演は、和太鼓彩メンバーの6名がそれぞれの新曲を持ち寄り、1つの公演を作りあげるというものでした。
コロナ禍においても歩みを止めることなく、メンバーそれぞれが学びを形にし、2020年の集大成として発表させていただきました。

応援してくださいました皆さま、本当にありがとうございました!



作曲テーマ「創作祭り囃子」

今回作曲させていただきました楽曲「晴れ囃子」のテーマは「創作祭り囃子」です。
まず、なぜ祭り囃子を作曲したかという経緯をお話しさせていただければと思います!

祭り囃子が演奏されるのは、そもそも祭りの場。

そう私、何を隠そう大の祭り好きです。
昔から祭り好きではありましたが、その魅力にどっぷりとハマっていったのは、学生時代のことでした。

過去のヒストリー(https://wadaiko-sai.com/archives/history/200301)でも述べましたが、学生時代には、日本各地に根付くお囃子を含む伝統芸能の知見を広げたく、その芸能が奉納・披露されるお祭りを巡っておりました。

それぞれの地域で長い年月受け継がれ、今の時代に残っている洗練された芸能や伝統を受け継ぐ人々に僕は魅了されたのです。

そして芸能の知見を深めると同時に、芸能が披露されるお祭りの場に興味を引かれることになります。
芸能を学ぶためには、それらが奉納・披露されるお祭りのこと知らなければ、芸能に対する深い理解は達成できないと思ったからです。

そんな理由から、お祭りへの興味が湧き、その魅力に僕は魅せられていました。

そこで僕が魅せられたお祭りの魅力は「2度同じお祭りはないこと」・「人間味が溢れ出ること」。強いて言うなればこの2つを挙げることができます。


「2度同じお祭りはない」

これはどういうことか。
毎年、伝統的な奉納行事を行い、同じ伝統芸能を行い、一見同じお祭りが開催されるように思います。
しかし、年によって社会情勢は異なるし、関わる人々も少しずつ変わり、その人々も年齢を重ね、芸能の技も円熟される。
人間が関わるものですから、そこにはヒューマンドラマがある。
祭りに関わっている人を知らなければ、その面白さを分からないかと思うかもしれませんが、知らなくとも、今まさに奉納行事や芸能を行っている人の動作や仕草から、人の背景を想像するだけでも楽しい。
だいぶマニアックなことを言っていますね(笑)

人間が関わるものだからこそ、同じお祭りでも、毎年異なるお祭りがあります。

今日の祭り、そして、この瞬間は1回きりだからこそ、面白い!


「人間味が溢れ出ること」

お祭り、それは非日常。
日常という毎日を乗り越えるために、特別な晴れの日ある祭りの日を設け、日々の鬱憤やストレスを払う。そして次の日常へ向かっていく。
人々の日々の生活の糧になったのがお祭りです。
社会を生き抜くために取り繕った自分という殻を捨て、等身大の自分がさらけ出る。
日常からかけ離れた非日常空間であるからこそ、関わる人々の人間味が溢れ出ます。

お祭りで奉納・披露される伝統芸能も同じように「人間味が溢れ出ること」があると言えます。
和太鼓を打ち込む1つの動作や踊りの1つをとっても少しずつ異なり、それぞれの人にこだわりがある。こだわりに正解も不正解もなく、それぞれ信じるものを演奏する。
そのこだわりを形成する価値観は、その人の人生経験によるものです。
だからこそ、芸能には人間味が溢れます。
さらに、お祭りという非日常空間で披露されるからこそ、自分を取り繕うものがなく、より人間味が溢れます。

目の前で繰り広げられる芸能から、人間味が垣間見える、その瞬間に何より人が生き生きしていると感じました。
社会に縛られて生きている自分にとって、その姿は眩しく、
舞台に上がる演者として、熱量や芸能に対する熱量、その溌剌とする様は見習うべきものだと強く思ったのでした。


お祭りについて、だいぶ熱く語ってしまいましたが・・・笑

話は戻って・・・
なぜ、祭り囃子を作ったのか。

僕は「大新曲まつり!!!!!!」という公演でお祭りの空間を作りたいから!!
2020年、新型コロナウイルスの蔓延による影響で世の中が暗いムードに包まれました。
今年は色々あったけど、今日だけはそんなことも忘れ去るお祭りのような非日常空間を作りあげ、そんな暗いムードを吹き飛ばしたい!!

お祭りで演奏されるような祭り囃子を演奏し、ライブ会場をお祭りの空間にしたい。

そうしてできた楽曲が「晴れ囃子」。
お祭りの空間をさらに作り上げるために、僕が感じるお祭りの魅力「2度同じお祭りはないこと」・「人間味が溢れ出ること」、この2つ要素ふんだんに詰め込んだ1曲を作り込みました!

また、祭り囃子の持つ魅力は、お祭りの空間を作るということ以外にも大きな魅力があります。

それは、耳で「日本の祭りの音」を楽しめること。

お味噌汁を飲んだ時に、日本っていいなぁと感じることがあると思います。
「日本の祭りの音」をお味噌汁を飲むように味わっていただきたい。
そんな願いをもって作曲させていただきました。

さて、作曲秘話がだいぶ長くなってしまいましたが、まだ終わりではありません!
次回ヒストリーは、お祭りの魅力である「2度同じお祭りはないこと」・「人間味が溢れ出ること」をどのように祭り囃子で取り入れたのかをお話ししたいと思います。
彩TIMES 2nd.で公開した、演奏動画と解説動画は次回ご紹介します!!

最後まで、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

つづく!

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