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和太鼓で考える、アイデンティティの見つけ方 〜僕がスーパーアイドルになった日〜 by渡辺隆寛

日時:令和3年2月26日
執筆者:渡辺隆寛
タイトル:和太鼓で考える、アイデンティティの見つけ方 〜僕がスーパーアイドルになった日〜

[あなたにとって「自分らしさ」とはなんですか?]

身の回りのコミュニティにおいての自分の立ち位置、自分の価値、
ひいては何故自分がここにいるのか。

多様な個性が享受され、幸福の選択肢が増えた現代において、
自分の生き方などが非常に尊重されるようになってきました。

これは、社会のみならず、舞台上でも同じ。
今や和太鼓彩の、そして和太鼓界のスーパーアイドルとなりつつある僕が、
いかにして、このとって代わることのないアイデンティティを見つけるに至ったのか。

今日は皆様に、僕がスーパーアイドルになった経緯を交えて、自分のアイデンティティを見つける方法をお教えしようとおもいます。


【1】 渡辺隆寛が「スーパーアイドル」になるまで

◆3年目のジンクス

時は2016年、僕が入団して早3年が経ちました。
2013年に僕が飛び込んで以来、小川、岡本、松谷、一彩、龍史、そしてゼンダイミドンで酒井、と多くの新メンバーが新たに入団してきました。

社会もどこもそうですが、1年目はとても簡単です。
新人というだけでどこでも“ちやほや”されるのですから、自分の居場所というものが見つけやすいです。

しかし2年目以降、これがとーーっても大変になっていきます。

まず、新人というポジションがあっけなく新たな新人に奪われます。
ニコニコしてればいい1年目なんて、うかうかしていたらあっという間です。
自分が、自分で、存在の意義を見出さなければならなくなります。
結果が求められる2年目以降はとても大変だと思います。(僕も社会人時代はそうでした。笑)

ましてや舞台上では、輝かなければそこに待ち受けているのは「死」
「Shine or Dead」です。

とはいえ僕の場合、比較的2年目は楽でした。
何故なら、小川とは戦うフィルードが異なり、バッティングすることの方が少なかったからです。
彼はベース、僕はメインでやることの方が多かったので。

――――しかし3年目からは別でした。
松谷や一彩、彼らは僕と同じく華のあるプレイヤー。
前線に出て活躍することも多かったです。

ましてや、松谷なんて当たり前のように面白く(いじってないよ。笑)、
一彩なんて当時技術では追いつく余地もありませんでした。

ここで、和太鼓彩、3年目のジンクスが訪れます。
そう、「キャラ迷走」です。笑

和太鼓彩に入団した若者たちは、必ずと言っていいほどこの問題にぶち当たります。
自分自身に個性が欲しい!!と思った若者たちは、ありもしない架空の、ないしは誇張した自分自身を作り上げるのです。

そこで出た僕のキャラが、「チャラ男」。笑

今考えると、確かに若いし、仕草もなんか人と違ったかもしれませんが、果たしてチャラ男だったかどうかはちょっと僕にもわかりません。笑
あのキャラは一生齋さんには勝てないと思っておりました。(小声)

◆無から有は生まれない

そして彩Collection2016を迎える頃には、メンバーも総勢17名。
ここでこんな思いが芽生えます。

ーーーーー「このままだと埋もれる・・・!」
「どうにかしてお越しくださった皆様の記憶に残らなけらば!!」

そこで出た苦肉の策が、、、

「みんな見てる〜〜〜????
みんなのなべっちこと、渡辺隆寛で〜〜〜〜す🌟🌟🌟」

これでした。笑

当時から兼ね備えていた、おちゃらけた感じ、そして若干の可愛らしさ。
そして何より、「みんなのなべっち」と言い切ってしまう神経の図太さ!!!笑

偶然の産物であったのにも関わらず、これが当日大好評となりました。

しかしここであることに気づくのです。
「無から有は生まれない。
だとすると、このMCは一体何からインスパイアされたものなのか・・・?」

そう、偶然の産物と思われたこのMC、実は必然の賜物だったのです。

僕の中に元々備わっていた素養…
そう、それは、アイドルオタクの血でした!

飼い犬は飼い主に似る、自分の好きなものが自分の一部になっていく感覚、
きっと皆様にも少なからず思い当たる節があるはずです。

鶏が先か、卵が先かはわかりませんが、
「舞台上で笑顔を全力で振り撒くことは誰にも負けない」
そんな自信と、そして同時にこの立ち位置に対するプライドが生まれてきました。

【2】 アイデンティティの見つけ方

この自分の体験を通して、アイデンティティの見つけ方を2つご紹介いたします。

◆まず一つ目は「与えられたロール(役割)を身につける」です。

僕にとってこれはチャラ男というレッテルでした。
レッテルと使うと悪いようにも聞こえますが、そういうわけではありません。

ここでわかることは、「他者は自分の知らない一面を知る」ということです。
僕はうちに入ってきた若手たちに必ずこう言います。

「なんでもいいから学生時代のうちに、バイトを3つ以上やりなさい。」
これは、自分が属するコミュニティを複数持つことで、
大まかな自分の立ち位置と、得意な分野がわかるからです。

僕は大きく分けて、
単発派遣(イベントスタッフ)
→某お弁当屋さん
→個人指導の塾講師
→イタリアンレストランのスタッフ
→バーテンダー
→単発派遣(倉庫業務、引っ越し)
→某デジタルアートミュージアムのスタッフ
(→法律事務員)

と、様々なバイトと社会人を経験してきましたが、
その中で与えられるロールには全く別の自分と、少し重なる自分がいました。

僕の場合はこんな感じです。
飲食を通して、和太鼓を通して、法律職を通して、
何が自分の心を動かしたか。
それは紛れもなく「お客様の笑顔」でした。

ツールは違えど、僕の目的は全て一貫していることに気づいたのです。
これは様々なコミュニティを持ち得たからこそ気づけたこと。
(これは前回の彩ヒストリーとも関連しています。企画をすること、がとても大好きでした!!)

そして何より、この方法のポイントは、「楽」であること。
与えられるロールというのは楽です。
演じていれば、言われるがままにすれば、そこに立ち位置はあり続けるのです。

その反面、問題もあります。

それは「今ある自分と乖離していくこと」
それは時代の変化なのか、心境の変化なのか、
自分という存在が安定するまでには、多少なり時間を要します。(若いうちは尚更)

この時に、ロールと自分の中に生まれたギャップを埋めていくことで、この後の人生が大きく変わります。。
それが2つ目の方法。

◆2つ目の方法は、「個性✖️個性✖️個性=アイデンティティ」です。

上記のような自分にとって大切な「個性」というものが、一つではなく複数存在します。

それを2つではなく、「3つ」掛け合わせるのです。
何故3つかというと、「どこにもいない自分」になれるからです。
(仮に個性がこの世に100しかないとして、
100✖️100=10,000と、100✖️100✖️100=1,000,000では希少性が大きく異なるからです。)

そして、なぜ「どこにもいない自分」なることがいいのかというと、
それだけで、必要とされる機会が増えます、できることが増えます。
また、どこにもいない自分が出来上がることで、より心身が安定してメンタル的にもとてもいいからです。

今は多様性が享受され、自分で自分の幸せが選択できる世の中。
こんな幸せな時代に周りに流されるのは非常にもったいない。
自分の大切なものは何か、そこが明確になるだけで、
いざという時の選択で迷わなくなります。

そして僕の場合、このアイデンティティを生かしてもう一つの夢が生まれました。
それは「和太鼓をより身近な存在にする」

「古くさい」「渋い」といった和太鼓のイメージを払拭すべく、常に華のあるプレーを意識しています。

和楽器なんてよく知らなくていい、容姿から入ってもいい、
どんな入り口でも「和太鼓」をより身近に感じ触れていただきたいと思っております。

これは、「和太鼓彩のスーパーアイドル」という唯一無二のアイデンティティを手に入れたからこそ成し遂げられる至上命題なのです。

自己表現がとても重要になる和太鼓において、自分がどういう人間性でお客様と対峙するのかは非常に重要な要素の一つとなります。

実生活においても、そういった場面は多いと思います。
外交的な自分、内向的な自分、好奇心が強い自分、頑固な自分。
そういった自分の個性を見つけることで、自分自身が見つけられるというお話でした。

ぜひ皆様の人生の一助となりましたら幸いです。
ご精読ありがとうございました☺️

p.s.
ちなみに、その後正式に「スーパーアイドル」名乗り出したのは、「Q」ツアーから。
ただの「アイドル」じゃない、「本物のアイドル」目指す。
そんな勢いとキャッチーさで言い始めたのです。笑

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