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塩見と祭宴と和太鼓エボリューション☆ by塩見岳大

日時:令和3年5月21日
執筆者:塩見岳大
タイトル:塩見と祭宴と和太鼓エボリューション☆

2011年、前進座劇場。
僕がまだ和太鼓彩に入団するより前、
高校同期の齋、執行が出演する和太鼓彩第三回単独公演を見に行った時、
僕は「祭宴」と出会った。

第三回単独公演では、
遥か昔にタイムスリップした彩メンバーが、
古代人と戦った末に和解し、
物語のフィナーレとして共に宴を楽しむ楽曲として「祭宴」が演奏されていた。

2011年から現在に至るまで、
長く、そして多くの場所で演奏されてきた「祭宴」。
統計はとっていないが、
和太鼓彩が今まで演奏してきた楽曲を演奏回数順に並べたら、
おそらく一番上に来るのではないだろうか。

メロディーも素直で耳に残りやすく、
和太鼓彩の持ち味である「明るさ」や「楽しさ」という表現と親和性が高いので、
僕自身も好きな楽曲だ。
おそらく「祭宴」であればたとえ意識を失っていようと叩ける…ような気がする。
それだけたくさんの場所で演奏してきたのだ。

では、何故この楽曲はこれだけ長くの間、多くの場所で、
演奏され続けているのだろうか?

それは上記の「和太鼓彩との親和性」以外に、
その時代、場所、シチュエーションに合わせて、
「祭宴」という楽曲が絶え間なく進化をし続けてきたからではないだろうか。

2012年、僕は和太鼓彩に入団し、
「祭宴」のリズムを真っ先に覚えることになった。
それは近年、入団してきた新メンバーでも変わっていない。
リズムは比較的シンプルなので、
和太鼓彩の楽曲の中でも暗譜は容易な方なのである。
そのため、ワークショップや他団体とのコラボレーションでも使われる事が多いため、
とにかく様々な場所、シチュエーションで幾度となく演奏してきた。

そしてシンプルだからこそ、
公演の意図に合わせてアレンジもしやすい。

「祭宴」は第三回単独公演で演奏された後に、
公演内の物語用に作られた構成から、
野外演奏などで演奏しやすい構成へと編曲されたようだ。

なので、僕が最初に覚えた「祭宴」も、
すでに編曲されたものなのである。

それからも特に篠笛のメロディーはマイナーチェンジを繰り返したようだ。
そのあたりは齋に聞いてみると、
ものすごくいっぱい話してくれるだろう。

僕が「祭宴」を覚えてから、
一番最初にその楽曲が大きな変化を遂げたのは、
2013年に行われた「COLORS」ツアーだ。

この公演ではなんと4分程度だった「祭宴」をおよそ20分程度にボリュームアップさせたのだ。
現在でも使用している和太鼓の大半はこの「COLORS」ツアーを機に購入したものであり、
3.6尺の大太鼓、通称「サブロク」もその一つである。
楽曲中にメンバーの春日(愛称:かすにい)がその「サブロク」を打ち鳴らすソロ、
「かすにいソロ」はこの「COLORS」ツアーで生まれ、
その独特なリズムと陽気なパフォーマンスは長く愛され続けた。

ちなみにこの「祭宴」は後に和太鼓の大会に向けて6分程度に圧縮されたのだが、
「かすにいソロ」のみノーカットで残った。
そのため、チームで行う創作和太鼓の大会にも関わらず、
和太鼓彩のパフォーマンス時間の三割以上は春日のソロとなる珍事が発生した。
それだけ「かすにいソロ」はメンバーからも愛されていたのである。

そして2015年、
和太鼓彩の10周年全国ツアーとなる「衝動Ⅱ」!

ここでも「祭宴」は大きな変化を迎えることとなる。
今まで表拍子をベースに演奏されていた「祭宴」の根底となるリズムを変更し、
裏拍子をベースとしたのだ!
例えるなら、日本のお祭から中南米のカーニバルに変わったような変化である。
この背景には、より幅の広い舞台を作るために、
よりリズミカルなビートを取り入れようとしていた団体の背景がある。
そういった団体の方針に合わせて共に進化し、
試行錯誤を行い続けてきたのがこの「祭宴」という楽曲なのだ。

その後も様々な舞台、演奏、コラボレーションを通して、
進化し続けてきたのが、今の「祭宴」なのだ。

僕自身、「祭宴」では非常に様々な楽器を演奏してきた。

初めは長胴太鼓だった。
そしてサブロク、
2.4尺の担ぎ桶太鼓、
セットパート。
随分昔のストリートライブではマイクを持って「祭宴」を歌ったこともある。
レアだが、普通の桶太鼓も演奏した。
タンバリン、
チャッパ、
最近のTik Tokライブでは大団扇を持った(楽器ではないので演奏はしてない)。

和太鼓彩の在り方と共に、
絶え間なく進化し続けている「祭宴」。
もしかしたらその時代の「祭宴」を見れば、
その時代の和太鼓彩が見えてくるのではないでしょうか。
是非、過去のDVDやYOU TUBEの映像を探してみてください。

僕自身も「祭宴」に負けないように絶え間なく進化を続けていきますので、
どうかこれからも、僕達の進化を見守り続けてください!!

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