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和太鼓彩10周年全国ツアー「衝動Ⅱ」の「奏」の記憶がスパーキング by塩見岳大

日時:令和3年7月20日
執筆者:塩見岳大
タイトル:和太鼓彩10周年全国ツアー「衝動Ⅱ」の「奏」の記憶がスパーキング!

2015年に行なった、
「衝動Ⅱ」ツアー!
和太鼓彩初の全国ツアーでもあり、
一際メンバーの想いが詰まっているツアーでございます。

僕は「衝動」ツアーで和太鼓彩にデビューしたので、
デビュー公演のナンバリングタイトルでもあるのです!

和太鼓彩の10周年を記念するツアーでもあり、
とにかく気合が入る要素がテンコ盛りの本ツアー、
制作にも莫大な時間と情熱を注ぎ込みました。

本ツアー初公演の会場となった北千住のシアター1010。
僕達はこの会場の皆様にガッツリサポートをしていただき、
シアター1010に併設されている稽古場にて来る日も来る日も、
汗水たらして稽古に励みました。

この時期、同ビルにあった「長崎ちゃんぽん リンガーハット」の皿うどんにめちゃくちゃハマって、毎日毎日皿うどんをバリバリ食べていた事を何故か鮮明に覚えております。
衝動Ⅱ初公演を迎えた時の僕の身体は「長崎ちゃんぽん リンガーハット」の皿うどんで出来ていたと言っても過言ではないでしょう。

さてさて、
皿うどんを食べながら毎日稽古を重ねて、
少しずつ新曲のイメージが出来上がり、
公演の全体像が見えてきた頃、
本ツアーのトリを飾る大曲、
「奏」の編曲へと着手することになります。

この「奏」という演目は和太鼓彩の代表曲と言って差し支えない大切な一曲です。
現在も使用している演目の中で最も古い演目で、
愛着も想いも、思い出も、たくさん詰まっている演目です。

その演目で、僕は葛西さんからセンターのポジションをいただきました。

和太鼓彩の中でも今(2021年)や古株となってきた僕ですが、
僕が演目のセンターを務める事ってあまり多くないのです。
「衝動Ⅱ」以前では今にも増してセンターは少なかったですね。

ポジションに強いこだわりはなく、
和太鼓彩の公演を最高に面白くする事に貢献する事が、
僕のやりがいでした。

しかし、葛西からこの大事な大事な「衝動Ⅱ」ツアーの、
大事な大事な「奏」という演目でセンターの大役をいただいた事は、
ただただ素直に嬉しかったです。

それは演者としてももちろんですが、
一人の人間として、
尊敬する葛西から大役をいただいたという事が、
嬉しかったのです。

「奏」という演目は、
人生を曝け出す演目です。

公演にもよりますが、
「衝動Ⅱ」の「奏」は20分以上にも及ぶ大曲で、
その中に今まで生きてきた人生の喜怒哀楽、
全てを曝け出し、ぶつけて、打ち付けて、
現在何を想い舞台に立っているのか、
未来に何を描いて舞台に立っているのか、
その全てを表現するという、
なんとも欲張りな一曲なのです。

だからこの演目を演奏していると、
舞台上で一緒に演奏する仲間の感情が流れ込んで来ます。
自分の感情を制御するだけでも精一杯なのに、
周りの演者の感情がそれに追加で押し寄せて来ると、
自分の中で渦巻くありとあらゆる感情が膨張して、
溢れ出し、そして爆発するのです!

その感情はなんと呼べば良いのか僕にはわからないですが、
その感情の爆発こそが、
この「奏」という演目の醍醐味だと、
僕は思います。

2015年4月18日、
「衝動Ⅱ」ツアー初公演、
シアター1010にて演奏した「奏」は僕の和太鼓人生の中でも、
特に記憶に残っています。
何故なら…「奏」演奏中のラストの記憶がなかったので!
記憶がなくなった演目という記憶が残っているのです!

おそらく色々な感情や想いがスパークして、
気付いたら「奏」の演目が終わっていたのです。

しかし、演奏を終えた時の拍手と歓声と、
底知れない幸福感は、
今でもほんのり思い出す事が出来ます。

また、
大舞台の「奏」演奏中に、
記憶をなくす事が出来る日が来るのを、
僕は楽しみに待っております。
皆様もどうぞ、楽しみに待っていて下さいませ!

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