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大乱闘和太鼓ブラザーズ【大新曲まつり】 by塩見岳大

日時:令和3年11月12日
執筆者:塩見岳大
タイトル:大乱闘和太鼓ブラザーズ【大新曲まつり】

大乱闘スマッシュブラザーズというゲームをご存知でしょうか?
マリオやポケモン、カービィ、といった有名で個性的なゲームキャラクター達が、
ソフトの壁を乗り越えて一ヶ所に集まって大乱闘を繰り広げるというゲームです。

僕は小学生の頃、このゲームにどっぷりハマりました。
友達と盛り上がりやすいゲームシステムそのものが優秀ということもありましたが、
絵柄も世界観も違う超個性的なキャラクター達が夢の共演を果たして、
ゲームを繰り広げていくという事、
それ自体がもう面白かったのです。

和太鼓彩というチームはほとんどが同じ高校出身で、
同じ世界を生きている日本人で構成されています。

しかし、2020年12月23日に行った和太鼓彩ファンイベント”彩ホーム VOL.10”「大新曲まつり!!!!!!」に向けて各メンバーがそれぞれ新曲を作って持ち寄った時、
僕は改めてこのチームは面白いなと実感しました。

和太鼓という楽器の括りの中でそれぞれのメンバーが作る演目は個性的で、
それらが集って一つの公演が行われる事に胸の高鳴りが抑えられませんでした!

僕が作った「侍ジョニー」に関しては他の記事や動画で結構喋ってますので、
今回は僕以外のメンバーが作った演目について、
僕、塩見が書いていこうと思います!

Here we go!!

先ずは鈴木海作曲の「Earth」!

和太鼓彩として海が作った演目を披露するのは初めてですね。
海がどんな演目を作るのか、僕達としてもかなり謎ではありました。
マイペースでスローペース、「chill」という概念を尊び、
常日頃から独自の世界観を展開する海がどんな演目を作曲するのか楽しみでした。

今回新曲を発表したメンバーの中で唯一、
桐蔭学園和太鼓部出身ではない彼は和太鼓のルーツさえも他のメンバーとは大きく異なります。

そんな鈴木海が作った演目「Earth」はやはり一味も二味も違いました。
和太鼓彩の他の演目と比べるとかなり遅いテンポ帯で、
レイドバック(拍の後ろの方を叩く)へのこだわりを強く語り、
ゆっくり、まったり、しかし重くて、神秘的なグルーブ感を大切にした一曲です。
正直、最初は戸惑いました。
叩き慣れない遅いテンポで、気を抜いたら走ってしまいますし、
勢いで押す演目でもないので、高い技量が求められます。
丁寧に、全員で海の世界を理解して、それを実演していく。
その工程は今までにない体験でとても楽しかったです。

これは海にしか作れない、間違いなく超個性的な演目と言って差し支えないでしょう。
是非、皆様鈴木海の世界をお楽しみください!

続いて、葛西啓之作曲の「天の羽衣」!

何か良い画像ないかなと調べたのですが、
この演目の画像はこのシーンしかないのです。

それもそのはず!
この演目は完全なる暗闇の中で演奏する楽曲だからです。

作曲をする上で、他とは異なるどんな要素を足そうか…
普通はそう考えると思います。
それはテーマだったり、
リズムだったり、
楽器だったりと様々ですが、
演目の中で何を引くか考える葛西さんは流石だと思いました。

生の和太鼓演奏の中で敢えて視覚を引いて、
それによって聴覚、そしてイマジネーションを刺激するこの演目。
未だかつて10分以上も完全なる暗闇を演出した和太鼓公演はあるのでしょうか。

この演目では竹取物語に登場する皇子を各メンバーが演じるのですが、
表情や身体の動きは使えません。
音のみでその心の動きや、
皇子の性格、物語を伝えなければならないのです。

僕は石作皇子という皇子を演じたのですが、
竹取物語を読んだ後にどう表現したら良いものか手が止まりました。

そして長胴太鼓の色々なところを、
色々な打ち方で叩いてみて、
この楽器をどのように叩けばどのような音を表現できるのか研究しました。

この演目で、改めて和太鼓という楽器と一対一で向き合い、
自分の中で和太鼓の世界が広がっていくのを感じました。

こんな挑戦的で、超個性的な演目を作れるのは間違いなく葛西さんだけですね!

続いて酒井智彬作曲の「晴れ囃子」!

この演目も酒井らしさが詰まった演目ですね!
彼は大のお祭り好きで、
日本中のお祭りを自らの足で回り、
体験して学んできました。
その経験をフルに生かして作ったのがこの「晴れ囃子」!

僕達が普段演奏している創作和太鼓とは異なる点が多く、
その大きな特徴として、演目の尺が決まっておりません。
ソロの順番なども決まっていないので、
その日の演者の呼吸や、ノリで演目が作られていくのです。

その日でしか出来ない演目を一度限りのお祭りで全身全霊楽しむ!
実に酒井らしいですね!

僕はこの演目ではチャンチキという楽器に挑戦しました!
金属製の甲高い音がする楽器です。
日本のお祭りでよく使用される楽器なのですが、
僕はこの演目を演奏するまでこの楽器に触れたことがありませんでした!

打ち方も和太鼓とは全く異なるにも関わらず、
演目終盤ではかなり早いテンポになるので練習当初は全くついて行く事が出来ませんでした。
なので僕は、繰り返し、繰り返し、河原で一人、チャンチキを叩き続けました。
川の魚は毎度毎度うるさくて堪らなかったと思います。すみませんでした!

しかし、完成した大新曲まつりの「晴れ囃子」はきっと皆様に心を晴らして賑わす、
渾身のお祭りを作りあげる事が出来たと思っています!

塩見作曲の「侍ジョニー」は飛ばして…
続く演目は渡辺隆寛の「婲阿吽駆」!

この演目の何が大変って…字の変換が出来ない!
皆様「ファンク」で「婲阿吽駆」が出てくるようにユーザー辞書に登録しましょう!
実はパンフレットで使うフォントで「婲阿吽駆」の「婲」の字が出てこなかったので、
特別にこの字だけ制作したのが思い出深いです。

この楽曲はドラムを通じて世界中のありとあらゆるリズム勉強している渡辺らしく、
「ファンク」をテーマに作曲した演目です。

勿論と言ってはなんですが、和太鼓彩では初めてのグルーブ感で、
オマケにテンポが早く、裏打ちが多い!
譜面通りに演奏する難易度という点においては間違いなく大新曲まつりの他の演目と比べて群を抜いています。
譜面を渡された時におったまげましたもん。

しかしそれぞれのパートが噛み合ってくると物凄く楽しくなってきて、
みんなのグルーブが一つになるとテンションがめちゃくちゃ上がっていきます。

因みに僕のパートはドラムにおける右足だそうです。
渡辺の右足として本番では二人仲良くくっつきながら演奏させていただきました!笑

和太鼓の枠を乗り越えて世界を跨ぐこの一曲もまた、
渡辺にしか作れないオンリーワンな楽曲と言えるでしょう!

そして最後に齋英俊作曲の「HA HA HA HANDS!!!!!!!」

字数が多くて色々なところで字の幅を調整するのが大変な演目です。
命名したのは僕なのですが!笑

この演目はコロナ渦だからこそ、
お客様が声を出せなくとも、
みんなで手を叩いて一緒に盛り上がれる演目を作りたい、
という着想から作曲したそうです。

逆境をみんなの元気で弾き飛ばしたい、
という挫けない明るさが実に齋らしいです。

齋は幼少からピアノを学び、
そして近年では西洋音楽と作曲理論を熱心に学んでいるようで、
そこで得た物をこの楽曲に還元しているようです。

底抜けに明るくて、耳に馴染みやすいメロディを支えているのは、
研鑽を重ねた理論というのが齋自信を表しているようですね。

僕はこの楽曲で新登場の団扇太鼓を演奏しております。
この楽器…演奏していてめちゃくちゃ楽しいです!笑

片手で持てる太鼓なので、身体を自由に動かす事が出来ます。
なので、メロディに身体を委ねてありのままに全身で表現出来るので、
演奏していて最高にハッピーな気分になります。

この演目も、彼の願い、そして彼の研鑽なくしては成し得ない一曲でしょう。

同じ時間を多く過ごし、
多くの公演を共にしてきた和太鼓彩の仲間達は、
それでも毎回毎回驚かされる事が多いです。

そんな超個性が和太鼓彩というグループに集約すれば、
これからも、もっともっと面白い物を作れるに違いないと思っています。

皆様引き続き、僕達の超個性にご期待くださいませ!

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