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和太鼓との出逢い     by岡本峻一

日時:平成31年4月28日
執筆者:岡本峻一
タイトル:和太鼓との出逢い

皆さま、こんにちは。岡本峻一です。

和太鼓グループでは「和太鼓グループ ジュニアチーム」や、
桐蔭学園高校和太鼓部「桐蔭太鼓」で指導をさせて頂いています。
僭越ながら僕も、そういった場所で指導をさせて頂いているのですが、
最近、彼ら彼女らを見ていて、改めて、自分はなんで和太鼓を始めたんだっけ?
なんでこんなにも太鼓が好きになったんだっけ??とちょっと思い返すことがあったので、
これを機会にここにも書いておこうかなーと思っている次第でして。

というわけで、今回は太鼓との出逢いについて、ちょっとお話をさせて頂きます。
に入る前の話なんですが、間違いなく今も太鼓を続けている理由の1つなので、
もしよろしければ今回もお付き合いください。

さあ、というわけで早速。

僕が和太鼓を始めたのは、先ほども挙がった桐蔭学園高校の和太鼓部でした。

この和太鼓部の存在を始めて知ったのは中学生の時。
当時の桐蔭の中学校に通っていた僕は、文化祭が終わった夜、
それを見に来ていた母親に「高校に上がったら和太鼓部に入ってみたら」と唐突に言われます。
「、、、、はい????」「和太鼓部、、、って何するの?フンドシ巻いてお祭りとかの盆踊りで叩くとか???それはちょっと、、、、」と聞き流してしまったことをよく覚えています。
今は盆踊りの太鼓も大好きです!!! が、当時はそんなつまらないことを思っていました。

さて、そうして和太鼓部に入る最初のきっかけを逃しますが、2回目のチャンスが巡ってきます。
高校生になった2009年4月の部活紹介で一個上の先輩が演奏をしてくれたのです。
会場がとても狭く、配置の時間もなかったのか、担ぎ桶と篠笛、チャッパのみの編成でした。
その2回目のチャンスも、「フンドシじゃないんだ」「あの金属の楽器(チャッパ)、灰皿みたいだな」という本当に今思うとどうしようもない感想しか抱けず、、、見送り。

そして3回目のチャンス。
「母親に和太鼓部見学しろって言われて、、、一緒に来てくれない?」と「友達に言われた友達」に誘われ、「まあ帰っても暇だしいいか」と本当になんとなく流されて部活見学に行きました。3回目のチャンスでようやく部活を見に行くわけですが、残念ながらその日の部活の内容はほとんど覚えていません。ここまでの3回どうでもいい話はこんなに鮮明に覚えているのに、です、、。本当にもったいない、、、なんでや、、、。

ですが、その日帰った時には家で素振りをしていました。
葛西さんのように叩いた瞬間なにかビビっと来たのでしょうか?
その日にはもう入部を決め、同期とも馬が合い、ドンドン、ドンドン、太鼓にのめり込んでいきます。

葛西さんが作曲した甕星(みかぼし)を覚えるために勉強を放棄し、テストが全部不合格になったり。
春日さんが作曲した悠久久遠音(ゆうきゅうくおんのね)を聴いて、人生で初めて、感動して泣いたり。

Collection2018 甕星 桐蔭太鼓とのコラボ

ただただ自分が叩くのが、同期と一緒に叩くのが、楽しく、
それだけで学校がある週6日間、自主練の日も含め毎日練習をしていました。

高校一年生の頃の僕は基本的に自分に自信がなく、人前に立つのが苦手でした。
なので、演奏に出る機会があっても、それは「自分が頑張ってきた結果、舞台に立たせてもらえる」という練習の結果。「舞台に立つ事」自体が目標になっていました。

高校二年生になり、最初の目標決め。
当時は一期一会を信条にしていると、顧問の先生や先輩方から教わり続け、
僕たちは「お客様に楽しんで頂くために部活をする」と決めました。
それはそう設定するのが美しいと思ったから、それ以上の理由は特にありませんでした。
要するに、そのために部活はしていたものの、本心ではそこにあまり興味はなかったのです。
当時は思春期でねじ曲がっており、アーティストが言うような「ファンのため」という言葉を信じられず、自分が演奏して拍手をもらっても、「自分なんかの演奏で喜んでもらえるなんてあるんだろうか」とその拍手も信じられなかったから。

それが変わったのは高校2年生。
2010年7月31日の土曜日、高校の近くの夏祭りでの演奏の時でした。

戦塵(せんじん)という曲で大太鼓を叩き、月夜の宴(つきよのうたげ)という曲で笛を吹き。演奏は成功。お客様には拍手を頂き、でも嬉しさよりも演奏が無事に終わった、という安堵感をもって、片付けをしていました。

そこに、見ず知らずのおじさんが近づいてきて、僕に声をかけてくれました。
「君の太鼓と笛、すごくよかったよ」
たったそれだけ。それだけの言葉で涙があふれ、僕の人生を変えました。

僕は自分に自信がありませんでした。
そんな僕が演奏した太鼓で、笛で、
それまで会ったことも無い誰かの心を動かすことができた。
わざわざ探して伝えに来てくれた。
それはそれまでの自分にとってあり得ない経験でした。

自分が頑張ったことで、知らない誰かに喜んでもらえる。
その瞬間からそのことに心を奪われました。
それを実現してくれた太鼓が、笛が、一層好きになりました。
それから、部活の目標が、そのまま自分が本当にやりたいことになったのです。

その後も太鼓を通じて、本当に色々な経験をして、
ドンドン太鼓が好きになって、気づけば今ここにいます。
その、本当に最初のきっかけは、このおじさんの一言でした。

もし今後、和太鼓に限らず、誰かに強く心を動かされたら、
叶うなら直接本人に是非伝えてください。
きっとそれは、その誰かにとって、とても大事な言葉になっていくと思います。

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