朝霞は晴れ〜篠笛で描く霧晴れた世界〜 by酒井智彬

日時:令和4年8月20日
執筆者:酒井智彬
タイトル:朝霞は晴れ〜篠笛で描く霧晴れた世界〜
みなさん、こんにちは!
酒井智彬です。
本日は、2022年1月16日に開催されました「この世を謳歌する音。」にて作曲・お披露目しました「朝霞は晴れ」という楽曲の作曲の裏話をお話ししたいと思います!
●前作「この世を目覚めさせる音。」に次ぐ新作公演
「この世を謳歌する音。」公演は、2021年に行った「この世を目覚めさせる音。」公演に次ぐ新作公演です!
新作公演を企画中には、コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、明るい世界が戻ってくる兆しがありました。
目まぐるしく変化する世の中でも、変化せず、美しいもの。
そんなものテーマに「音」に込めて、新作公演を行いました。
前作の「この世を目覚めさせる音。」公演では、メンバーそれぞれが考えるこの世を目覚めさせる音。をテーマにソロ演奏を6曲披露しました。
その作品に続く、「この世を謳歌する音。」公演では、前作のソロ演奏楽曲をパワーアップし、メンバーそれぞれが「謳歌する音」として新曲を披露したんです!
●新曲タイトル「朝霞は晴れ」
突然ですが、朝に霧が出ると、その日の天気について、どんなイメージがありますでしょうか?
晴れ?曇り?雨?
色々な気候の条件にもよりますが、、、
昔から、朝に霧が出ていると日中は晴れると言われています。
この霧が出ている時、地上では、霧が原因で、あまり見通しがよくありません。
しかし、実際には上空は晴れていて、
気温の上昇とともに、霧は水蒸気となり、天気は晴れへと向かっていきます。
実際に、僕もこの自然現象に遭遇し、その幻想的な景色が今でも思い出に残っています。
大学時代、野外研修のため、山間部に寝泊りしていました。
朝の早い時間に起きると辺りは、一面、霧に覆われています。
当時、朝の霧の自然現象を知らなかった僕は、霧を見て、この日の天気は悪いものだと、ガッカリしていました。
しかし、日の出とともに太陽が出ると、、、
太陽光が霧の水にあたり、様々な方向に光が反射していくんです。
この時、大気が光っているように見えるんですね!
光る霧に囲まれるというなんとも幻想的な体験でした。
そして、その日の天気はもちろん晴れ!
それ以来、僕の中での朝の霧のイメージは幻想的であり、天気が晴れになるというポジティブなニュアンスを含んだものでした。
この公演を迎えるにあたって、世の中では、コロナウイルスはまだ蔓延しているけど、落ち着く兆しが見えてきていました。
この状況は、朝の霧のようだと思ったんです。
まだ、世界は霧がかかっているけれど、その先には、変わらない美しい世界があり、さらには晴れた日常がある!
絶対そうなるんだ!
そんな願いを込め、「この世を謳歌する音。」公演でお披露目する新曲のタイトルを「朝霞は晴れ」と決めたのでした!
また、「霧」ではなく、「霞」という言葉を選んだことにも理由があります。
この公演は、1月に行われ、暦の上では、もうすぐ春を迎える季節でした。
春に出る「霧」のことを「霞」と呼ぶことから、「霞」という漢字を選んだのでした!
●情景を描く笛・技術的なチャレンジ
前作「この世を目覚めさせる音。」公演では、「隠れ里」という楽曲を作曲し、篠笛による独奏を行いました。
(隠れ里作曲秘話▶︎https://wadaiko-sai.com/archives/history/210508)
この楽曲では、日本の原風景に広がっているであろう音色を篠笛の旋律に込め、演奏いたしました。
今回もこの経験が活かし、情景を篠笛の旋律に落とし込みました。
夜明け前、辺りは一面、霧に覆われているシーン。
少し不気味で、拍もなく、「間」によって構成される笛ソロです。
太陽が顔を出し始め、段々と明るくなっていき、霧の水に光が反射し始めるシーン。
和太鼓が入り、ゆったりとした2拍子のような旋律が流れ、笛の魅力であるロングブレスで情景を表現します。
そうして、最後には霧が晴れ、晴れた世界が広がったシーン。
ゆったりとした2拍子に聞こえていた旋律に大きな変化が!音数が格段に増え、クライマックスを迎えます。
ここに技術的な挑戦がありました!
情景の変化を表現するため、
序盤から中盤にかけてのロングブレスと対比して速吹きに挑戦したのでありました。
音数が増えるため、単純に難しい!
一度でも指が縺れたのならば、一巻の終わりです。
齋さんの太鼓セットのリズムに身を委ね、何度も練習を重ねた部分になります。
霧が晴れていき、明るい世界が広がる情景を表現し、世の中もこの曲のようにdなって欲しい願いながら演奏したのでありました。
●太鼓セット、齋さん!?
ここからは、僕個人の感慨深かった点をお話しできたらと思います!
「朝霞は晴れ」という楽曲は「酒井の篠笛」と「齋さんによる太鼓セット」で演奏をお届けしました。
齋さん
ん、ちょっと待てよと、、、
長年演奏を見ていただいている方は概ね予想が付くかと思いますが、、、
齋さんがセットで、酒井が笛のデュオ演奏だと、、、!?
というのも、齋さんと酒井は、近年、篠笛で2重奏を行うことが多く、自分たちとしても篠笛の音を重ねることは慣れ親しんできていました。
しかし、ここに来ての太鼓と笛でのデュオ演奏です!
非常に新鮮な気持ちで演奏に臨ませていただきました。
やはり齋さんは笛吹きでもありますので、旋律を際立たせる太鼓を鳴らしてくださいました!
ぜひ、またどこかで一緒に演奏したいと思います!
もし、このヒストリーを読み、「朝霞は晴れ」という楽曲をお届けすることがありましたら、酒井はこんなこと考えながら演奏しているかと、思い浮かべながら聴いていただけたら、面白いのではないかと思います!
また、みなさんがこの曲を聞いて何をイメージしたのかも教えていただけると嬉しいです!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました♩
それでは、また!
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