彩Collection2018〜感謝と涙〜 by酒井智彬
日時:令和3年11月2日
執筆者:酒井智彬
タイトル:彩Collection2018〜感謝と涙〜
こんにちは、酒井智彬です。
今回のヒストリーでは、「彩Collection2018」について振り返ってきたいと思います!
和太鼓彩メンバーが全員集合する年に一度の大LIVE「彩Collection」
通称「彩コレ」!
2018年はなんと23人でお送りさせていただきました!
そしてメンバー23人に加え、ゲストとして、松谷くんがアラブ首長国連邦で立ち上げた和太鼓グループkharshaからカターダくん、さらには、多くの和太鼓彩メンバーが過去に所属していた桐蔭学園和太鼓部の現役高校生たちと合同で公演をお届けしました。
実は、この時の桐蔭学園和太鼓部には、未来の彩メンバーとなる佐々木くん、川内くんが現役高校生として、一緒に舞台に上がっていたんです!
気付いた方はいらっしゃいますか?笑
なんと合計50人近くの演者がステージに立つという超特大ライブ♪
年に一度の公演ということもあり、メンバーもゲストも大盛り上がりのお祭り状態でした!
そして、気になるセットリストはというと・・・
<第一幕>
Be Ready.
まつりだ、まつりだ、おまつりだ〜!!
矢萩ソロ…!?
戦風 –soyokaze-
分・奇・転
大海祭
KAINA
<第二幕>
いくぜ!青春応援歌
ADVENTURE
四心不乱〜二十三心不乱
光照道(桐蔭学園和太鼓部)
甕星(桐蔭学園和太鼓部・和太鼓彩)
奏
天真☆爛漫(アンコール)
祭宴(アンコール)
桐蔭学園和太鼓部の現役高校生たちの演奏する曲は彩メンバーが高校生時代に作曲したもので、その曲があったからこそ、和太鼓彩での作曲に続いていると言っても過言ではないです。
「甕星」という曲は、葛西さんが高校生時代に作曲し、ほとんどの彩メンバーも高校生時代には演奏しているというものでした。
だからこそ今回の公演では、現役高校生と一緒に演奏をお届けしたのでありました。
さらに、僕が高校生時代に篠笛の旋律を作曲した「光照道」という曲も演奏してくれました。
(当時の作曲のお話はこちらから→https://wadaiko-sai.com/archives/history/200514)
なんともまぁ、盛り沢山な曲たちです!
まさに当時の和太鼓彩の全てが込められたライブですね♪
さて、この「彩コレ」で僕は初めての経験をします。
それは、演奏中に涙が止まらなくなるという経験です。
「奏」という曲の冒頭、篠笛四重奏中の出来事でした。
「SAI LAND」公演での「奏」にて初めて篠笛パートを担当したことで、叙情的な演奏を行う特訓をした当時。
(そのSAI LANDのヒストリーはこちらから→https://wadaiko-sai.com/archives/history/210526)
SAI LANDを経たからこそ、その技術を活かし、彩コレではより叙情的に感情の込めた篠笛の演奏を行おう。という思いがありました。
叙情的に演奏するために、自分の表現したい気持ちに焦点を当てます。
そこにあったのは、紛れのない「感謝」という気持ちでした。
何を堂々と恥ずかしいこと言うてんねんという感じですが、この感情の背景には、今回の公演の翌年からプロ奏者として食べていくという当時の決断がありました。
この当時、大学4年生だった僕は、学業と和太鼓彩の活動の両方を行っていました。
元々の夢であった教師の道と和太鼓の道で進路を悩む青年期でした。
しかし、「新世界」公演(2017~2018)や「SAI LAND」公演(2018~2019)を経験し、和太鼓彩で和太鼓奏者として食べていきたいと思うようになります。
つまり、プロの和太鼓奏者として生きていくということです。
(和太鼓の道と教師の道 はこちらから→https://wadaiko-sai.com/archives/history/210429)
プロ和太鼓奏者になる!
この決断を初めてお客様にお伝えしたのが「彩コレ」でした。
そのご報告は、この公演でお配りした「ROAD TO 東京国際フォーラム」という冊子の中で、翌年に予定される東京国際フォーラムでの公演への思いとして記されていました。
この決断をするにあたり、僕はお客様、メンバー、支えてくれた全ての方に感謝の気持ちがありました。
ただただ和太鼓が大好きで入団した和太鼓彩。
新人だった僕を我慢強く舞台に上げ続け、様々な公演で大切な役割を与えてくれたメンバー。
そして、お忙しい中、和太鼓彩のコンサートに足をお運びいただき、どんな時も温かく、割れんばかりの拍手で応援してくださったお客様。
自分の活動を陰ながら支えてくれた家族や友人。
そんなたくさんの方々の応援や支えがあったからこそ、和太鼓に向かう力の源になりました。
その力を元に、たくさんの舞台経験を積み、成長させていただき、和太鼓彩でプロ和太鼓奏者になるという決断ができました。
だからこそ、今回の公演でこれまで関わってきた全ての方々へ感謝の気持ち伝えたい!
「彩Collection」という年に一度しかない和太鼓彩の大LIVEの舞台で。
演者として音に感謝の気持ちを込め、「奏」という曲に挑みます。
篠笛だけの音色が響く中、僕の頭の中には、過去の出来事が断片的に思い出されます。
―デビューした演奏―
―初めての外演奏―
―コンサートホールでの演奏―
―悪天候の中でも演奏を見にきてくださるお客様の顔―
―仲間と共に重ねた稽古―
舞台ではお客様と一緒に共有してきた楽しい音楽の時間がありました。
その時間に立つためのお稽古では、もちろん楽しいことだけでなく、上手くいかないこともありました。
楽しい思い出も大変だった思い出も全てが今演奏している自分の糧になっている。
その経験をするにあたり、たくさんの支えてくださった方々がいる。
感謝の気持ちが自然と溢れ、涙が止まりません。
そして、今まさに支えてくださったお客様がいる。
かめありリリオホールを埋める満席のお客様が。
舞台上・袖には彩メンバー全員がいる。
少しでもこの気持ちが届くよう、音に思いを込めます。
感謝の気持ちが溢れれば溢れるほど、涙も止まりませんでした。
演奏終了後、たくさんの拍手とスタンディングオベーションが目に飛び込んできます!
正直、演奏している際の記憶はほとんどありません。
しかし、涙の晴れた頃、気持ちは前向きでした。
目の前の皆様・仲間たちと次の舞台に歩んでいきたい。
この感謝の気持ちを胸に、プロ和太鼓奏者として和太鼓に向き合い、その覚悟・見えてくる世界をお届けしたい。
東京国際フォーラムで行われる「SAI WORLD」(2019)公演に向け、走り出すのである。
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